説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『メールを送信した先のスマホで絵文字が「□」になるそうです!?』という質問に答えます。
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2016年12月に提供が開始された「iOS 10.2」では、104もの新しい絵文字が追加されています。2016年6月にリリースされた文字集合の最新版「Unicode 9.0」で追加された72種類の絵文字と、性別ごと用意された16種類の専門職の絵文字で構成され、自由に画面へ表示/入力できます。
それら新しい絵文字は、同じ絵文字に対応するスマートフォン/パソコンでなければ表示できません。絵文字は数値データ(文字コード)として定義され、その数値に対応する描画用データの集合(フォント)として提供されるため、システム側での対応が必要だからです。かといってAppleやGoogleなどの企業が思いのままに絵文字を定義しては互換性が損なわれるので、Unicodeという共通仕様を定め、それに準拠するシステムソフトウェアを提供しているというわけです。
新しい絵文字は新しいシステム、またはシステムのアップデートにより表示/入力が可能になります。逆にいうと、旧いシステムは追加された絵文字に対応するフォントが収録されていないため、テキスト中でその絵文字が使用された部分は表示できません。しかし、文字情報は存在するけれど対応するフォントがないことを示すためにダミー文字を置く必要があり、そこで「□」などの記号が使われるのです。
「□」ではなく、意図しない絵文字として表示される場合もあります。たとえば、iOS 10.2で追加された「Technologist(パソコンを使う技術者)」は、この絵文字に対応しないOSでは男性とパソコンの2文字に分かれて表示されます。Unicode 9.0は公開から日が浅くサポートされるOSが多くない現状を考慮すると、送信先がiOS 10.2またはAndroid 7.1以降のスマートフォンを利用していることを確認できないかぎり、新しい絵文字の積極的な利用は避けたほうが無難かもしれません。