これまでの不満を解消したシステム系の機能の改善

Windows 10のデスクトップテーマサポートは前OSビルドからサポートされているが、現時点ではダイレクトリンクでアクセスするのが簡単だ。例えば2016年末の時点では「Beauty of Britain 2 by Sean Byrne」「Surreal Territory of Chuck Anderson」「Cats Anytime」「Alaskan Landscapes by Kyle Waters」「Australian Landscape by Ian Johnson」「Dogs in Winter」「German Landscapes by Mathis Rheberg」を確認しているが、Microsoftはリンク※執筆時点では404 Not Foundを用意し、近いうちに「ストア」経由のダウンロードが簡単になるという。

間もなく公開される「Windowsストア」のデスクトップテーマページ(公式ブログより抜粋)

Microsoftの説明によれば、複数のPCを併用している場合はCortanaが作業の切り替えを容易にしてくれるという。PCを切り替えた時点でアクションセンターにクイックリンクが現れ、最近使用したWebサイトやクラウドベースのドキュメントを編集可能になるそうだ。残念ながら本稿を執筆している時点でOSビルド15007を適用できたのは、2-in-1 PCのみ1台。デスクトップPCは「更新プログラムをダウンロードしています 100%」に張り付いたままだ。Cortanaの設定ページに関しても更新は見られなかったため、本機能については今後機会を見てご紹介する。

UWPアプリケーションのダウンロード進捗状況は以前の「ストア」でも表示されていたが、Microsoftはフィードバックに基づいて、トースト通知にもダウンロードの進捗状況を利用者に示すことができると説明する。今回いくつかのUWPアプリケーションをダウンロードしてみたが、あくまでも開発者がデータバインディングを通じて設定しなければならず、未対応のパッケージでは表示されないようだ。

UWPアプリケーションのダウンロード進捗状況はトースト通知でも確認可能になる(公式ブログより抜粋)

UWPアプリケーションについては、UI面でも変化が加わった。マウスに対するXAMLスクロールバーを更新し、マウスオーバー時はスクロールバーが現れ、マウスカーソルを移動させると極端に細くなる。そして数秒後には以前の状態と同じくスクロールバーが消える仕組みだ。これらの仕様変更により、UWPアプリケーションは狭いデスクトップ環境でも描画領域を有効活用できる。なお、本仕様についてMicrosoftは、Windows 10 Creators Update SDKを使用するすべてのアプリケーションで確認できると説明し、UWPアプリケーション開発者にはSDKリリース後の更新を期待したい。

UWPアプリケーションにおけるスクロールバーの動作も変化した

Windows Helloの顔認証精度も改善された。カメラに映し出された顔を追跡するビジュアルガイダンスや進捗インジケーターが加わり、以前よりもスムーズに顔認証の登録が可能になった。実際に試してみると顔を枠線で囲み、カメラに他の人物(の顔)が入ると、「複数の顔が認識されました」とエラーメッセージが現れる。認識精度を高めるために何度か繰り返してみたが、Windows 10 バージョン1607時よりも素早く操作を終えることができた。

Windows Helloの顔認証設定。ちょうどテレビに人物が映っていたため、エラーになっている

顔を認識すると青色の枠線が現れるなど、顔認証の進捗状況が分かりやすくなった

一部のユーザーには根強い人気を持つ「Snipping Tool」はキーボードの操作が変化している。[Alt]+[N]キーでタイプを選択して[Enter]キーを押すと画面キャプチャーが開始し、矢印キーとスペースキーで領域を変更。後は[Enter]もしくはスペースキーで画面キャプチャーを終了する。これは前ビルドで加わった[Win]+[Shift]+[S]キーによる画面キャプチャーが影響しているのだろう。なお、同ショートカットキーはSnipping Toolも対応し、自身のウィンドウにペーストされる。

ショートカットキーが変化した「Snipping Tool」

システム内部的には、新たなBluetooth APIが用意された。MicrosoftはGATT(Generic Attribute Profile)サーバーやBluetooth LE(Low Energy)デバイスとの接続を可能にするため、APIの刷新を行ったという。近日中にリリースされるSDK(ビルド15003以降)を用いることで開発者は新APIが利用可能だ。なお、新たな絵文字として「レインボーフラッグ」が加わっている。ちなみにモバイル版であるWindows 10 Mobile Insider Previewにも各種変更が加わっているが、詳しくは公式サイトをご覧頂きたい。

新たに加わった絵文字「レインボーフラッグ」(公式ブログより抜粋)