Intel Chipset - KabyLakeに合わせて200シリーズを投入

Photo35:なかなか写真を撮らせてくれないヴィーノ先生。ウチの現メンバーの中では最古参(推定14歳)にも関わらず一番慣れてないのがこいつ。冬場は飯時以外、シェルターから出てこない

2017年になってやっとKabyLakeが登場したお陰で、対応するKabyLake PCHと呼ばれていた200シリーズチップセットもそのまま後送りになってしまった。

その200シリーズ、現状で判っている範囲では、2016年のこちらで紹介した

  • DDR4-2400に対応
  • PCIe Gen3を最大24レーンサポート(Z170は最大20レーン)
  • Intel Optane Technologyに対応。これは同社の3D Xpoint MemoryをベースとしたSSDをサポートするものとなる
  • Intel Thunderbolt 3に対応。ただしThunderbolt 3のI/Fが統合されるわけではない
  • Intel RST(Rapid Storage Technology)がPCIe Gen3 x4接続のSSDに対応。つまりIntel SSD 750をRSTでサポートするという話である
  • Overclock動作で設定できる範囲がZ170より広がった
  • 5K/30fps(Single Display出力)もしくは5K/60fps(Dual Display出力)をサポート
  • HEVC 10bitやVP9 10bitのデコーダをサポートした という特徴は何も変わっていない。単に投入時期がずれたというか遅れただけで、しかもそれは新機能を搭載するためではないのだがら、当然と言えば当然である。

しいていえば、1年遅れてしまった結果として、DDR4-2400はもはや当たり前になっており、DDR4-2666が普通に手に入る状況では、DDR4-2666までのサポートは当然入ってくるだろう。

さて、ところでこのうちOptane Technologyに関して言えば、前回「CannonlakeではCPUから出るPCI Expressのレーン数が24(Graphics用のx16+DMI 3.0用のx4+追加のx4)になる、なんて噂がちょっとだけある。この追加のx4は何に使うか? というと、3D XpointのSSD用である。」という話を紹介したが、結果から言うとこれはCannonlakeそのものでは無いかもしれない。

まずCannonlakeは(プロセスの所で紹介した通り)2018年にシフトし、しかもモバイル向けのみで、同時期にデスクトップ向けにはCoffeelakeが投入される。現時点で出ている話では、このCoffeelakeにしてもCannonlakeにしても、ベースはLGA1151(もちろんCoffeelakeもSoC版はLGA1151でも何でもないのだが)になりそうなことだ。つまりCPUから出るPCIeのレーン数は引き続き20のままが維持されそうである。

ではOptane SSDをCPUに直結できるオプションは無いのか? というと、Basin Fallsでこれをサポートしそうなことだ。Basin Fallsは図2の様な構成になっている。

この図のうち、黒色のものは常時サポート、青色はオプション(Skylake-X利用時のみ有効)ということになるようだ。ポイントはSkylake-Xを使うとCPUからDMIとは別にPCIe Gen3 x16が3本出ることで、このうち2本をGPU用に振っても、もう1組PCIe Gen3 x16が残る計算になる。

2本のGPU向けはそれぞれx8を2つに分ければ4枚のMulti-GPUが構成できるし、残ったGen3はx4を4つにすることでM.2 PCIe x4 SSDを4枚接続できるという、鬼の様な構成が出来上がることになる。とりあえずゲーミング向けとしては十分だろうし、このM.2用の接続の一部をOptane SSD用に転用するのは容易だろう(図3)。

AMD Chipset - RYZENと同時に自作市場にもAM4が登場予定

Photo36:台風が近付いているころで、気圧の低下もあって飯も食わずに眠りこけているポン太とヴィーノ

先ほどCPU編で紹介した通り、OEM向けに提供を開始しているAM4プラットフォームだが、これに対応したチップセットは現在2種類が提供されている。

B350:Mainstream向け

  • USB 3.1×4+USB 2.0×6
  • 6×PCIe Gen2 x1
  • SATA 6G×2、SATA Express×1
  • RAID 0/1/0+1

A320:Value向け

  • USB 3.1×3+USB 2.0×6
  • 4×PCIe Gen2 x1
  • SATA 6G×2、SATA Express×1
  • RAID 0/1/0+1

といった構成だ。どちらもCPUとはA-Link III(PCIe Gen3 x4)で接続されている。SFF向けにはこれでも十分(もう少しSATAポートが欲しい気もするが)だが、RYZENにはあきらかに機能が足りない。これに関しては、RYZENにあわせる形でX370チップセットが提供される予定だ。こちらは

  • USB 3.1×6(4?)+USB 2.0×6
  • 8×PCIe Gen2 x1
  • SATA 6G×4、SATA Express×1
  • RAID 0/1/5/0+1

といった機能になるらしい。またX370ではCPUから2本のPCIe Gen3 x16レーンが出て(8レーン×2ではないらしい)、これでCrossFire/SLIの構成が可能だとしている。スペックとしては常識的な範囲である。

デフォルトではM.2のRAIDが組めないあたりが若干悲しいかもしれないが、これはマザーボードベンダー側で対応可能な範囲だろう。ちなみに当然オーバークロックなどの動作にも対応しているとしている。一応2017年はこの3種類でラインナップが構成される模様だ。