こまめにキーボード面に目を移せば意外に快適に入力可能

Haloキーボードは、振動で打鍵感をフィードバックするとはいえ、手探りで正確なホームポジションを把握できないため、相当タイピングしにくいことを覚悟していた。しかし、予想していたより快適に入力できる……というのが率直な感想だ。

もちろん工夫は必要だ。筆者の場合、一文(10~20文字)ごとにキーボード面に目を落として、その都度指の位置を調整すれば、快適にタッチタイピングすることができた。もちろん物理的なキーボードと同じスピードでは入力できないが、慣れたキーボードの5~7割ぐらいのスピードでタッチタイピング可能だった。

左がライト無点灯時、右がライト点灯時。部屋の明るさ、角度によってキートップの視認性は大きく変わる

筆者の手の大きさは幅約19cmと大きめだが、それほど窮屈さは感じない。ただし「-」、「~」、「\」の列のキーは、さすがにキートップを見なければ入力できなかった

Haloキーボードには、ユーザーが打ち間違いをしたときに、その癖を学習して打鍵位置を自動調整する機能が搭載されているが、今回の試用期間ではその効果を感じることはできなかった。ひょっとしたらすでにその恩恵を受けている可能性はあるが、打鍵ミスが1週間の間に減っていったという実感は正直ない。

これを踏まえて、筆者がHaloキーボードにぜひ搭載してほしいと考えているのが、ポジションがずれていったときにそれを振動または音の変化で知らせる機能だ。キートップの中心から指がずれ始めたら、振動の長さや、音程の変化で知らせてくれれば、その都度目をキーボードにやって微調整できる。慣れてくればキーボードを見る必要はなくなるかもしれない。

いずれにしても完全フラットなタッチ式キーボードは、今後多くの端末で採用される可能性がある。さまざまな技術革新により、物理的なメカニカルキーボードと遜色ない入力効率を目指していってほしいところだ。

未来のノートを垣間見せてくれる斬新な2in1デバイス

YOGA BOOKが未来のノートを垣間見せてくれる斬新なコンセプトの2in1デバイスであることは間違いない。そしてアナログ的な手書き文字や図をリアルタイムでデジタルデータ化する製品としてはすでに完成の域に達している。

ただしHaloキーボードによる文字入力は、想像していたより快適だったものの、物理的なメカニカルキーボードと比べると効率はどうしても落ちる。1000文字以上の長文を頻繁に入力するか否かが、YOGA BOOKを選ぶか否かが決まる分かれ道となるだろう。