ポメラの一番大事なこだわり、入力の快適さ。モバイル型のキーボードだとどうしても、華奢なつくりで、とりあえずキーボードの代わりにはなるものの、パソコンのキーボードと同じくらいの滑らかなキー操作は期待できないという印象がある。

ポメラはどうか。今までポメラを使ったことがなかった筆者が実際に使ってみると、最初はキーボードの間隔に慣れず、打ちにくい印象を受けたが、次第に慣れてくると、ノート型パソコンのキーボードと同じような感覚でタッチが出来ていた。

筆者の手は親指の先から小指の先まで約20センチ。慣れれば自然にキー操作ができる

筆者が女性で、しかも手が小さいからそういった印象を受けるのかもしれないが、快適そのもの。タッチタイピングにも文字の打刻、変換が追いついてくる。起動も速いから頭に浮かんだことや、話していることを文字にすることに難がない。タッチタイピングに慣れている人であれば、手書きのメモと同じ感覚で言葉を残せる。さらには、今回改良が加えられたキーを押した際の安定感も文句がなかった。

サイズも長財布よりも少し大きいくらいだから、ちょっとした移動の最中や、カフェでもさっと取り出してメモ代わりに使いやすい。

そして筆者が一番懸念していたこと。その文章をどうやって取り出すか。面倒なのではないかと思っていた。だが、パソコンにUSBケーブルをつなげば、充電もできるしパソコンにファイルを移動させることもできる。追加された無線LAN機能があれば、出先でも別の端末にデータを飛ばせるから、その点も安心だ。

出先といえば、バッテリーへの不安だが、減りが遅いから、知らない間にどんどんバッテリーを消耗してしまうという不安を抱えながらの外出は避けられる。会見から会見へ移動が多いライターや、外回りが多い人は助かるところだろう。今回のポメラに関していえば、モバイルバッテリーに対応しているから、万が一の事態が出先であっても、コンセントを探してさまよう事態も回避できるから、なお心強い。

難点といえば、スマホを使い慣れている人からすれば、画面のタッチに反応しないことに戸惑うこともあるだろうし、ウェブ検索できないことへのストレスはあるかもしれない。でも検索はスマホで、と割り切ってスマホと役割を使い分ければいいこと。どうしても、ウェブ環境でテキスト入力がしたかったら、スマホに同期させれば、キーボードだけの機能の利用もできるようになっている。

使ってみると、テキスト入力を売りにしたポメラの人気の秘密が分かった。とはいえ、単機能で勝負するキングジムには勇気が必要だったのではないか。同社はものづくりをどう考えているのか。