ルネサス エレクトロニクスは10月19日、第3世代R-Carの第2弾SoCとして、ミディアムクラスのクルマに向けた車載コンピューティング性能を提供する「R-Car M3」を製品化し、サンプル出荷を開始したこと、ならびに同製品を搭載した車載用開発キット「R-Car スタータキット Pro」とハイエンドSoC「R-Car H3」を搭載した同キット「R-Car スタータキット Premier」の2キットの提供を開始したことを発表した。

R-Carスタータキットは、AGLやGENIVIなどの標準開発環境としてR-Carが選ばれてきた実績などに基づいた車載Linux環境を、エンジニアが容易に実現できることを目指して設計されたもの。車載コンピューティング開発に必要な周辺インタフェースを実装しているほか、R-Carのすべての周辺端子を使用できる440ピンの拡張ポートを用意している。

また、R-Car M3はARM Cortex-A57(2コア)、Cortex-A53(4コア)、Cortex-R7(Dual Lock-Step対応)といった構成で、SoC単体のほか、LPDDR4メモリを実装したSiPモジュールでも提供され、ユーザーの設計工数の負担を軽減することができる。

なお、スタータキットの販売は、ルネサス販社、特約店のほか、AVNETならびにマルツエレックからも購入可能。価格は参考価格ながら、スタータキット Proが約5万円(税別)、スタータキット Premierが約8万円(同)としている。

R-Car M3。左がSoC、右がSiPモジュール

R-Car スタータキット Pro。R-Car M3のSiPモジュールが搭載されている