秋のイベントとして定番化しつつあるハロウィーンだが、ハロウィーンといえばコレ!という定番の食べ物はまだ確立していないようだ。ハロウィーンの定番として認知されれば、その食べ物は10月末に大口受注を見込めるわけだが、このポジションを奪取するのは一体どんなメニューなのだろうか。名乗りを上げたのがミスタードーナツだ。

ミスドとハロウィーンのコラボは相性が良さそうだが

スヌーピーとのコラボ商品を新発売

ミスドが9月7日から全国で販売するのは、人気キャラクターのスヌーピーとコラボレーションした新商品。10月31日までの期間限定商品で、店内は“スヌーピーのテーマパーク”を意識したデザインで装飾する。スヌーピーの顔を模した「スヌーピードーナツ」は183円、「ポン・デ・パンプキン」と「スパイダーチョコリング」は151円となっている。

ミスドがスヌーピーと組むのは2013年のクリスマス以来のこと。スヌーピーとのコラボを望む顧客の声が多かったことから、今回のキャンペーンが決定したという。スヌーピーを起用したキャンペーンは今年のクリスマスにも予定しているようだ。

盛り上がるハロウィーン商戦、食は最後のフロンティア?

ミスドではハロウィーンのキャンペーンを2012年から実施しているが、ここ最近のハロウィーン市場の盛り上がりについては、「(近年で)一番人気があるイベント」(同社広報)だと認識しているという。ハロウィーンの定番メニューを巡っては、今後も外食産業による熾烈な“首位争い”が続きそうな情勢だが、パーティーやイベントとの相性が良いドーナツは、ハロウィーンとも親和性が高そうに思える。

店内はスヌーピーのテーマパークをイメージ。顔にペイントを施すなど、ショップのスタッフはテーマパークの“キャスト”のような感じを演出する。ハロウィーンにミスドへ行って、親子で楽しもう、というのがコンセプトだという

ドーナツ業界にとってみれば、イベントに合わせたキャンペーンは必要不可欠な取り組みといえる。ドーナツは日常に溶け込んだ食べ物ではあるが、クリスマスといえばケーキ、節分といえば恵方巻きといったように、このイベントといえばドーナツという定番の組み合わせが存在しないからだ。ミスドの広報によると、同社では昨年のクリスマス頃からイベント需要の取り込みに注力しているという。

普段使いのスイーツとして定番化したドーナツだが、コンビニエンスストアでも取り扱いが始まったことで、日常におけるドーナツ需要の奪い合いは激しさを増している。ミスドも近年は国内の売上高が低迷しており、新たな需要を創出する必要性は高まっているだろう。イベント需要が開拓できれば、定期的な大口受注が期待できる。食べ物の定番が決まっていないハロウィーンと、食べる時期の定番を持たないドーナツ。両者を補完関係と考えれば、この組み合わせには案外、可能性があるのかもしれない。