iPhone旧機種のターゲットは?
日本におけるiPhoneの人気は、特に若い世代ほど高い。だが若い世代は可処分所得が少なく、学生に至っては親のサイフに頼らざるを得ないことから、現在の環境では高額なiPhoneを手にするのが難しくなりつつある。低価格に強みを持つサブブランドで型落ちのiPhoneを取り扱い始めた理由は、iPhoneブランドに強いこだわりを持つ一方で高額な料金は支払えない、学生を中心とした若年層を取り込む狙いが大きいのだ。
実際、7月5日に実施したワイモバイルの記者向け発表会で、ソフトバンクのY!mobile事業推進本部 執行役員本部長である寺尾洋幸氏は、iPhone 5sを投入した理由について「子供達の中でiPhoneは非常に強いブランド。我々がiPhone 5sを投入したことで、大手の半値くらいで提供できた。高校でスマートフォンデビューする時に選んでもらいやすくなった」と話しており、高校に進学する学生を狙ってiPhone 5sを投入したことを明らかにしている。
正規の手段でiPhoneを販売できるのは大手キャリアのグループならではのメリットであり、他のMVNOには容易に真似することはできない差別化要因となる。しかも先行するワイモバイルが、安価であればiPhoneの旧機種でも十分支持が得られることを証明している。それだけにUQ mobileは、iPhone 5sの販売開始を機として、iPhoneを中心に据えた販売拡大戦略をとってくる可能性が高いといえそうだ。