AK300は組み合わせるヘッドホンやイヤホンの特徴をいきいきと引き出すプレーヤーだ。バランス接続に対応するヘッドホン・イヤホンをつなげば自然体のサウンドに深みを増して、音楽が奏でられた瞬間をいっそうリアルに再現してくれる。その特徴を前提としながらも、楽曲によっては「ボーカルをもっと立たせたい」と感じることがあったり、アウトドアリスニングでは低音のバランスを持ち上げて聴きやすくしたい場面もあるだろう。AK300にはサウンドのバランスをとても細かく調整できる「パラメトリック・イコライザー」が搭載されているので、好みの音をカスタマイズしながらとことん追い込める。

本体には64GBのストレージを内蔵しているが、microSDカードで拡張も可能。またNASに保存した楽曲を、モバイルアプリの「AK Connect」と連携して、ホームネットワーク経由でAK300からアクセスして再生するといった、トリッキーだが便利な外部ストレージの活用方法もある。

再生中楽曲のファイル形式やサイズなど詳細を表示できる

画面の上端から下に向かってスワイプすると設定項目のアイコンが表示される

細かな音質のカスタマイズができるパラメトリック・イコライザー

Wi-Fi経由でインターネットにつなぐ、Groovers+の配信サイトから楽曲を購入、ダウンロード、という行程がすべてAK300単体でできる

兄貴分のAK380、AK320とデザインを共通化しているため、AK380のアクセサリーとして開発されたヘッドホンアンプ「AK380-AMP」やクレードル「AK380-CRADLE」、CDリッピング専用ドライブ「AK CD-RIPPER」などのオプションがそのまま使えるのも大きなメリットだ。楽器の演奏を嗜む人にとっては、AK300シリーズのプレーヤーがハイレゾ対応の音楽レコーダーに変身するポータブルレコーダーユニット「AK RECORDER」も遊び甲斐のあるアイテムになるはず。

本体だけでプレイリストを作成できる。新しく作ったプレイリストに再生中の楽曲をポンポン放り込むだけの簡単操作

AK Connectの機能を使えば、iPadなどを介してNASに保存した楽曲アーカイブにアクセス、AK300からNASの中にある音源を再生できる

このほかにも、USB DACとしてパソコンと接続し、ライン出力から据え置きタイプのオーディオ機器につなげば、スピーカーによるハイレゾ再生環境を組むこともできる。まずはポータブルからはじめて、ゆくゆくはホームリスニングの環境を発展させていく時の柱にもAK300はなり得るというわけだ。以上、様々な機能を盛り込んだコストパフォーマンスを考えれば、13万円という価格が高いのか、安いのか見方も変わってくるのではないだろうか。