メッセージという新たな可能性
iOS 10でより注目すべきなのは、進化するメッセージアプリだ。
iOS 10では、LINEやFacebookメッセンジャー、Skypeといった外部のメッセージアプリでの音声通話着信に全画面の着信画面を解放するなど、純正通話アプリと同じような体験をユーザーが行えるようにするVoIP APIを提供するようになった。
その一方で、アップル純正のメッセージアプリに対しては、前述の通り、開発者がメッセージのコミュニケーションの中で、アプリの機能を呼び出して利用できるプラットホーム化に取り組んだ。
Facebookメッセンジャーが対応アプリへのリンクを表示する仕組みを備えていたが、アップルのメッセージアプリも、よりシームレスに外部アプリとの連携を実現するようになる。
メッセージ内で機能を利用できるアプリは、App Storeだけでなく、メッセンジャーから直接見つけることができる仕組みも取り入れた。友人がアニメーションを共有した際、そのアニメを作るアプリ名が表示され、そこからアプリをダウンロードできるのだ。
開発者にとっては、コミュニケーションの中でアプリが流通する、新たなユーザーとの接点を取り入れることができるようになる。
また、メッセージアプリ自体の表現力も強化した。絵文字のサイズはこれまでの3倍となり、入力した文章の単語を絵文字に変換する機能まで備えた。
それだけに限らない。投稿を表示する吹き出しにアニメーションなどの効果を仕掛けたり、スワイプしないと内容が見られない効果を取り入れている。また、画面全体を使って紙吹雪や風船を飛ばす効果も設定できるようになり、メッセージアプリでのコミュニケーションが、一気にエンタテインメント性を高めた。