OS X 10.12の名称はどうなる?

現行のOS X 10.11 "El Capitan"に続く次期アップデートの「OS X 10.12」については、まだ不明な部分が多い。同OSのコード名は「Fuji」と呼ばれており、これがそのまま製品名として採用されるという話も出ている。ただ、OS X 10.9 "Mavericks"以降は「カリフォルニアの地名(または名所)」でシリーズ化されており、「Fuji」はそのルールからは外れる。なお、この「Fuji」とは富士山の「Mt. Fuji」ではなく、"りんごの品種"の「Fuji」のことだ。

このOS Xについて、名称のリブランディングが行われるという話がある。複数のメディアが報じているが、同社がデベロッパー向けに公開している最新文書の中で「OS X」の文言はすでになく、「macOS」というキーワードで置き換わっている。「iOS」が「iPhone OS」を経て現在の名称になった経緯を考えれば、「macOS」への名称変更もそれほど不思議な話ではなく、前述の「開発コード名をそのまま正式名称に採用する」というOS Xの伝統も、このタイミングで変わる可能性がある。

現行の「El Capitan」はカルフォルニア州のヨセミテ国立公園にある一枚岩

OS X 10.12の新機能についてはいくつか話があり、例えばサードパーティへの機能開放を含む「OS XでのSiriサポート」のほかOSレベルでの「Touch IDサポート」が該当する。後者については「パスワードによる認証をなくす」というのが業界のトレンドとして盛り上がりつつあり、一説には今後2~3年でバイオメトリクスを含む2要素認証が主流になるとみられている。おそらくAppleとしてもこうしたトレンドを牽引すべく動いている可能性が高く、これをWWDCで強調するのは理にかなっていると考える。また、Macそのものが指紋認証等のバイオメトリクスのハードウェアを備えていなかったとしても、iPhoneのTouch IDを借用するというソリューションが提案される可能性もある。この部分にも注目したい。