説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『今年のWWDC、iPhoneユーザにとっての見どころは?』という質問に答えます。
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WWDC(World Wide Developer Conference)は、iPhone/iPadやMacなどApple製品に関連したソフトウェア開発者を主対象とするイベントです。毎年6月に開催されており、ここ10年ほどは開催地としてサンフランシスコが選ばれています。今年の「WWDC 2016」は6月13日にスタート、午前10時(日本時間で6月14日午前2時)から基調講演が行われる予定です。
WWDCに参加する開発者は、後日公開されるソフトウェア(iOS/OS X)の新機能に関する紹介や、開発のポイントをレクチャーする個別のセッションで情報収集することが主な目的ですが、そのエッセンスは約2時間の基調講演に凝縮されています。今後1年のAppleの方向性がわかるという意味でも、iPhoneユーザの関心が集まるイベントといえます。
どのような新製品・新技術が発表されるかは、当日を待つしかありませんが、例年Appleは思わせぶりな告知をWWDC専用サイトで行います。今年はプログラムのソースコード風メッセージが十数行あり、それぞれ著名なiOSアプリの暗喩となっています。たとえば、"Hello driver, fast as you can"はタクシー配車アプリの「Uber」を、"Hello 6 seconds of fame"は6秒動画投稿アプリの「Vine」を指しているのでしょう(あくまで推測です)。
なぜこれらのアプリが名指しされたかですが、App Storeにおけるダウンロード数の多さと評価の高さもあるでしょうが、すべて"Hello"という呼びかけで始まっていることに注目すべきかもしれません。iOS 9ではサードパーティに機能が提供されていない音声アシスタント機能「Siri」ですが、Appleの方針転換により提供開始されるとすれば……それらのアプリの利便性は大きく向上することでしょう。「Siri」はiPhoneに限らず、Apple WatchやMacとも関係の深い機能ですから、WWDC 2016における見どころのひとつといえそうです。