スマートフォン時代の新サービスが台頭

その大きな要因となるのは、世界的なスマートフォンシフトだ。Twitterが登場した2006年当時、インターネットの利用はパソコンが主体だった。だがそれから10年が経過した現在、インターネット利用の主体はスマートフォンであり、スマートフォンへのシフトがコミュニケーションのあり方に大きな変化をもたらしたのである。

1つはコミュニケーションのあり方が、よりクローズドで細分化された形へと変化したこと。Twitterは登場当初"ミニブログ"という呼び方がなされていたように、多くの人に情報を発信するブログの延長線上にあるサービスとして展開されてきた。それゆえオープンな場で議論を好む人たちが、Twitterを積極的に利用することで、利用が広がった経緯がある。

だがスマートフォンによって、インターネットの利用がより大衆化されたことから、幅広い人たちと議論をするよりも、近くの友人と日常的なコミュニケーションをすることが重視されるようになった。そこで台頭してきたのが、日本でいえばLINE、海外であればWhatsApp MessengerやWeChatなどのメッセンジャーアプリであり、知り合いだけのクローズドな空間で、リアルタイムにコミュニケーションができることから人気を博すに至っている。

そしてもう1つは、コミュニケーション自体のあり方の変化だ。Twitterは短い文章とはいえ、テキストを主体としてコミュニケーションするスタイルをとっている。キーボードが備わったパソコンであれば文字入力に苦はないが、スマートフォンではパソコンよりも文字入力がしづらいのに加え、カメラを標準で備えていることから、写真や動画による、より手軽なコミュニケーションの利用が拡大する傾向にある。

それを象徴しているのが、写真を通じてコミュニケーションする「Instagram」の人気だ。Instagramは登場した当初、写真好きが利用するアプリとして知られていたが、Facebookなど既存のコミュニケーションサービスで、大人世代との接触を好まない若い世代が、写真を活用して気軽にコミュニケーションできるツールとして活用することで爆発的に広まった。最近では日本でも若い世代を主体に利用が広まっており、スマートフォンの利用に積極的な世代の心をつかんでいることが分かる。

クローズドなコミュニケーションのWhatsApp

写真を通じたコミュニケーションアプリのInstagram

クローズドと写真という2つのコミュニケーションを合わせる形で、海外では10秒で投稿した写真が消える「SnapChat」も、若い世代から支持を得て人気となっている。日本では熱心な利用者を獲得したことで若い世代からも支持を獲得しているが、そうした国は比較的稀なこと。多くの国では、スマートフォン時代の新しいコミュニケーションサービスに押される形で、Twitterの利用が減少傾向にあるのだ。