同じアプリはいらない!

HTCでは現在、Androidスマートフォンのあり方を見直す取り組みを始めている。例えばこれまで、購入したスマホに「メールアプリ」「電話アプリ」「アルバムアプリ」「音楽アプリ」が複数プリインストールされていて困惑した、という経験はないだろうか。端末メーカー、キャリア、Googleが別々にアプリを提供するため、こうした事態が起こっている。HTCではこれを改善したい考え。Android N以降の端末において重複アプリをなくすべく、他のベンダー、通信事業者、Googleに働きかけていくという。またUIの表現についても”iOS端末のような統一感”をもたせようと提言していく構えだ。

Androidスマートフォンのあり方をリブートする取り組み(左)。それは重複アプリをなくしていき(中)、UIの表現についても統一感を持たせるということ(右)

実際、HTC 10では重複するアプリが減っている。玉野社長によれば、Googleと「どちらのアプリが優れているか」をひとつひとつ議論し、選定していったという。「HTCのオリジナルアプリでも、Googleさんのアプリより劣っていたら切り捨てる。そんな英断を行えるのも、弊社のすごいところ」と玉野社長。ちなみに英断の甲斐あり、HTC 10ではメモリの空きスペースが確保できた上にCPUの処理能力も向上。様々な相乗効果でタッチレスポンスは50%向上し、アプリの起動速度は2倍になったという。「こうした取り組みは、Googleや他の端末メーカーを巻き込まないとできない。リーダーシップをとってやっていきたい」と話す玉野社長だったが、果たして実現するだろうか。

HTC 10のアプリ一覧画面(左)。確かに重複アプリが少ない。様々な相乗効果でタッチレスポンスは50%向上し、アプリの起動速度は2倍になったという(右)