「居心地の良い空間」作り
イートインの利用者を増やすには、「居心地の良い空間」を作る必要がある。内装同様、メニューにも工夫をこらしたそうだ。同店オリジナルのフードメニューのほか、アルコールも充実のラインナップ。ケンタッキーでアルコールを提供するのは同店が初ではないが、サントリーの「プレミアム・モルツ」のほか多彩なクラフトビール、サントリー酒類と共同開発したハイボール「カーネルハイ」といったオリジナルドリンクも揃える。
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いちばん手前にある「カーネルおじさん」のサーバーは「カーネルハイ」用 |
多彩なクラフトビールがズラリ。クラフトビールはチキンに合うものを社内で選別。季節で入れ替えする予定だ。ハロウィンやクリスマスといったイベント限定のビールも検討中 |
日本KFCホールディングスの広報担当者によれば、「前々から、チキンと一緒にビールを飲みたいというご要望はいただいていました」とのこと。基本はファミリー層が多い郊外型の店舗で、車の利用者が多いことから、アルコールを前面に打ち出す戦略は採っていない。しかし、駅前の高田馬場店では開店から閉店までアルコール類を提供。筆者がみた感じでも、平日夕方前というタイミングにかかわらず、お酒を飲んでいる人が少なくなかった。
ビール以外にも、チキンに合わせて「カーネルハイ」というオリジナルハイボールをサントリー酒類と共同開発した。女性にも飲みやすいようちょっぴり甘口に仕上げつつも、あっさりかつスパイシーな味わいのカーネルハイ。作り方や材料は「企業秘密」で、大竹氏も一切知らないそうだ。
もちろんドリンクだけでなく、若い女性に支持されそうなフードメニューを用意。フライドチキンや揚げ物類以外に、野菜を使ったメニューを充実させた。店内のデザインというハード面だけでなく、メニューというソフト面からも「つい立ち寄りたくなる店」を作り上げている。
通常の店舗で提供しているフードメニューは原則すべて提供。オリジナルメニューはすべて「追加」なのだ。メニューが増えれば店内スタッフの作業も煩雑になり、提供も遅くなりそうなものだが、大竹氏は「提供が遅くなるのは望ましくない。他の店舗と同じ設備で作れるように工夫しました」という。これは大竹氏がもともとケンタッキー店舗の店長として長く勤めていたからこそ、みえる部分なのだろう。