アプリ体験が大きく変わる「Instant Apps」

Androidアプリも非常に種類が増えたが、開発者にとってはまずユーザーにインストールしてもらうこと自体が一苦労となっている。ユーザーにとって、数多あるなかから目的のアプリを探し出してインストールすること自体が苦痛なのだ。そこでアプリ自体の使い方を変えて、インストールという行為そのものをなくしてしまおうというのが「Instant Apps」だ。

Instant Apps

これは、たとえばWebページ内のリンクをクリックすると、Webページに加えてInstant Apps対応のアプリ(最適化されており、ファイルサイズが非常に小さい上に、モジュール化されていて即時に利用可能になる)がダウンロード・実行される仕組み。Webページだけ表示するよりも、アプリならではのリッチで快適な操作(たとえばAndroid Payなどの決済機能)が体験できる。アプリは終了時に消去されるため、ローカルのストレージを圧迫することもない。デベロッパーにとっては常に最新版のアプリを使ってもらえるようになり、ユーザーにとってはインストールという手間が省けるという点でWin-Winな機能だ。

ちょっと視点を変えるとJavaアプレットが最初に利用され始めたとき、Webページ上のアニメーションや簡単な機能追加に使われていたのが、同じJava言語で書くAndroidアプリで再現されたとも見えるだろう。Android版ActiveXと言ってもいいかもしれない。

誰がダウンロードするアプリのセキュリティを担保するのか(Google Play Store経由でダウンロードなのか、サーバーに保存されているのか?)などの疑問点もあるのだが、滅多に使わないアプリのためにホーム画面を汚されずに済むのはありがたい。今後はInstant Apps対応のアプリが増えてきそうだ。

フィットネス機能が強化されるAndroid Wear 2.0

スマートウォッチ用OSのAndroid Wearも最新版の2.0が発表された。Android Wear単独で動作するアプリが解禁されるほか、手書き入力やスワイプキーボードを採用した返信機能の強化、フィットネス機能では加速度センサーなどを使ってアクティビティの自動認識機能が採用される。

スマートウォッチ市場そのものが鳴り物入りでスタートした割にいまいちパっとしない状況ではあるが、これまでのユーザーの反響や使い方の研究により、洗練されたものへと進化しているのは事実のようだ。

手書き入力などをサポートしたAndroid Wear 2.0

主役はスマートフォンから人工知能へ?

今年のGoogle I/OではNexusシリーズの新製品は発表されず、ハードウェアとしてはGoogle Homeと(具体的な形ではないが)Daydreamだけだった。スマートフォンはすでに十分に普及しており、これからはスマートフォンの新機能よりも、スマートフォンをインタフェースとしたサービス、あるいはHomeのようなIoTの時代に突入しているということなのだろう。

モバイルガジェットマニアの観点からはやや寂しくもあるが、スマートフォンはすでに十分成熟しつつあり、毎年のように取っ替え引っ替え買い換えるよりも、端末が何であれ、サービスを利用する体験こそが大事というように、価値観を変えていくべきなのかもしれない。Google自身、AlloやDUOといったアプリはiOS版も当然のようにリリースしており、Androidだけを特別視するのではなく、背景にあるGoogleのサービスを重視しているように思える。

特にGoogle Assistantのような人工知能ベースの機能の進化は凄まじく、数年前まではSFの世界かと思われてきたことがどんどん実現されている。今年は大きな発表がなかったが、Googleが開発中の自動運転車やドローンなどまで含め、今後も大きな改革が次々と待っている。今年のGoogle I/Oの基調講演は、そんなことを予感させる内容だった。