初代iPadが発売されたのは約6年前、2010年4月でした。それから6年の間、より薄く軽く高精細にと進化してきたiPadですが、先日発売された9.7インチiPad Proはちょっと事件かもしれません。少なくとも私的には。待ってたんですよ、この「タブレットで手書きノート」を実現できる理想的な環境を!

iPad Pro9.7インチとApple Pencil、待ってました!

精度が高く自然に描けるスタイラスは、iPadを使い始めた当初からずっと欲しいと思っていました。Apple Pencilは正に待ち望んでいた書き味そのもの。実力は12.9インチiPad Proですでにお試し済みです。やっとiPadで思った通りの線が描けるようになりましたよ! もちろんドローイグだけでなく、筆記用具としても申し分ありません。本体やカバーに収納できれば満点なんですけどね。

ペイント系アプリでその実力を発揮。これを使うと他のスタイラスには戻れません

手を自然に置ける、筆圧が感知される、タッチのロスがない、ストレスフリーな描画環境

ただ、先に発売された12.9インチiPad Proではノート代わりに持ち歩くには大きすぎました。きっと出るだろうと思って待っていたら、やっぱり出ました、伝統的iPadサイズの9.7インチ! ということで、今回は9.7インチiPad Pro+Apple Pencilを手書きノートとして使ってみるレビューをお届けします。

手描きとデジタル、両方の自由さをひとつにする「Notability」

今回使用したのは「Notability」というアプリ。録音とメモが同時にできて、しかも音声と同期して再現できるというのが特徴です。

手書きノートアプリ「Notability」

まずは新規ノートを作成。左カラムでは件名(フォルダよのうなもの)でノートを整理

ノートを開くと、上部にツールバーがあります。

ペン・マーカーは色や太さが選べます。録音ボタンをタップで録音開始。もう一度タップで停止します

ペン使用中は入力エリアの拡大表示が可能です

マイクボタンの右側にある「V」ボタンをタップすると、タイムラインが表示されます。左側の再生ボタンで音声とメモの再生を開始。タイムライン上はドラッグで前後に移動できます。

録音を再生すると、書き込みもシンクロ再生。メモが不明瞭でも話の内容をすぐに確認できます

音声とメモを同時に再生

後で録音だけ削除することも可能。ストレージ節約に

ツールバーにある「+」ボタンでは、写真やWebページなどを取り込み。必要な情報を一箇所にまとめ、並べたり上から書き込んだりできます。

「+」ボタンから写真を取り込み。アルバム内の写真から選択、またはその場で撮影も可能

「図」では描画エリアが表示されます。図形や直線が書け、ノートに戻れば1枚の画像として拡大縮小や移動が可能です

「Webクリップ」は別画面でWebページを開き、表示した部分を画像として取り込みます。トリミングや書き込みも可能です

「付箋」ではさらに種類が選べます。「入力」なら検索が可能になるので、手書きノートのインデックスとしても便利

また、他のアプリからPDFを取り込むこともできます。取り込んだファイル上には自由に書き込みが可能。

Dropboxやメールの添付ファイルなどは、「シェア」メニューからNotabilityに送ることができます

こんな感じで、手書きのフレキシブルさとデジタルの利便性さ両方を活用できるのが手書きノートアプリのいいトコロ。Mac版も提供されており、データの共有も可能。もちろん、iPhoneでも使用できます。

さて、こうやって日々使用しているとどんどんノートが溜まり、iPadのストレージが圧迫されてしまいます。終わったプロジェクトや記録があればいいというノートは、クラウドサービスなどに書き出して、Notabilityの中にあるものは削除してしまいましょう。

ノートを選択して書き出し。ノートだけの場合はPDFで、録音も含めた場合はZIPで書き出されます

その他のアプリ

iPad用の手書きノートアプリは他にもいろいろ。見た目や使い勝手でお好みのアプリを探してみてください。

GoodNotes

iPad黎明期からファンの多いノートアプリ。使い勝手はNotabilityに近く、筆記具がより幅広くカスタマイズできます。また、PDFを読み込んでノートのテンプレートにすることも。Notabilityとは甲乙付けがたいです。

表紙を自由にカスタマイズして、ブックスタンド風に管理

ペンや画像配置など、ノート画面はNotabilityに似た機能

Penultimate

Evernoteと連動するノートアプリ。書いたノートは自動的にEvernoteに保存され、ノートブックやタグで整理が可能。Evernoteの手描きオプションとしても活用できます。

ノートは書き終わると自動的にEvernoteと同期

Evernoteでタグやノートブックを使って整理できます