スマートフォンは、携帯電話とコンピュータ両方の顔を持ちます。ですから、スペック表を見れば専門用語のオンパレード……これではおいそれと比較できません。このコーナーでは、そんなスマートフォン関連の用語をやさしく解説します。今回は「緊急速報メール/エリアメール」についてです。

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緊急地震速報や津波警報、その他災害情報は「緊急速報メール/エリアメール」として特定エリア内に一斉配信されます(画像はイメージです)

緊急速報メールとは、気象庁が配信する緊急地震速報や津波警報、国や地方公共団体が配信する災害・避難情報を、特定地域内すべての端末に対し通信キャリアが同報送信するメールのことをいいます。「エリアメール」と呼ばれることもありますが、本来はNTTドコモのみが利用する呼び名です。

2016年現在、スマートフォンにおける緊急速報メール/エリアメールは「ETWS(Earthquake and Tsunami Warning System)」という方式で配信されます。LTE(4G)の標準規格であり、GSMとW-CDMAでも標準的な技術として採用されているため、現在利用されているスマートフォンの大半(2013年以降発売された機種)でサポートされます。情報料・通信料とも無料です。

これまで日本では、NTTドコモとソフトバンクが「CBS(Cell Broadcast Service)」、auが「BroadcastSMS」という技術を使い地震などの緊急メッセージを配信していましたが、ETWSのほうが高速性に優れています。ETWSでは第1報として警報の概要(タイトル)を送信し、警報の詳細は第2報として後から送信するしくみにより、警報音とバイブレーションで知らせるまでの時間の短縮を図っています。

なお、電源をオフにしている場合や機内モードを選択している場合、電波状態が悪い場所・圏外では緊急速報メール/エリアメールを受信できません。LTE以外のネットワークでは、通話中やデータ通信中の受信にも対応しません。特定エリア内の端末に対する同報送信システムという性格上、個別の再送信も実施されません。

ちなみに仮想移動体通信事業者(MVNO)が提供する「格安SIM」でも、緊急速報メール/エリアメールを受信できます。ETWSでは宛先を指定せず、電波が届く範囲のスマートフォンすべてに対しメッセージを送信するためです。契約が大手キャリアかMVNOかは関係ありません。