開発の経緯、機能の詳細
高齢者のみの世帯は約1,159万世帯。話し相手がいない、ペットは飼うのが大変といった悩みを抱えている。一方で、高齢者はメールさえ満足に使えていない。したがって子ども世帯とは電話で連絡することになるが、離れて暮らしている子ども世帯とは生活のタイミングが合わない。お互いが気を遣う結果、あまり連絡が取れなくなってしまう。NTTドコモの横澤尚一氏は、こうした問題点を指摘した上で、(1)かんたんボイスメッセージ、(2)利用者に合わせて毎日楽しく話しかけ、(3)既読&利用履歴でゆるい見守り、という3つの機能について紹介した。
スマートフォン向けには専用アプリが用意されており、「うれしい」「かなしい」といった表情を設定して送信できる。口、まぶた、眉毛が動くことで、ここくまの表情が変わる仕掛けだ。従来型の携帯電話からメッセージを送る際はテキストメッセージとなる。ここくまは、日常的に利用者とコミュニケーションをはかる機能も搭載している。人感センサーにより、人が近づくと利用者の名前で呼びかけたり、居住地の天気を知らせたり、誕生日を祝ったりできるという。メッセージの送信者側からは、メッセージが再生されたか、ここくまの話に反応しているか、を適宜確認できる。これにより高齢者の見守り機能としても利用できる。
発売時期は7月頃を予定、本体価格は税抜34,800円。全国の百貨店のほか、Amazonなどオンラインでの販売も行う。月額料金がかかるが、通信料金は現時点では未定。横澤氏は「10年愛されるコミュニケーションロボットにしていく」と胸を張った。