――2016年はどんなことに取り組みますか。

セルゲイ・ベロウゾフCEO

ベロウゾフ氏:アクロニスは、データバックアップの企業から、データの保護、管理まで網羅できる企業へと変化していき、技術的にも、ビジネス面でも、クラウドアーキテクチャーへと移行し始めています。まさに会社としての再構築、ビジネスの再構築をしている段階にあります。

我々がフォーカスしているのはデータを保護し、コントロールするという部分であり、ある地域や、ある製品に特化しているというものではありません。

データ保護やデータコントロールという取り組みのなかで、それを実現するのがソフトウェア・デファインド・ストレージであり、ブロックチェーン技術やモビリティ対応ということになります。

データ保護については、5つのキーワードがあります。「セーフティ」、「セキュリティ」、「プライバシー」、「オーセンテック」、そして「アクセス」です。自らのデータを安全に保護し、そして、自らがコントロールできる環境を保持し、いつでも、どこからでもアクセスできる環境を実現することが大切です。アクロニスは、これらの点に力を注いでいきます。

――今後の事業拡大において、M&Aはどう考えていますか。

ベロウゾフ氏:具体的な戦略については開示できませんが、基本戦略はデータにフォーカスしていく姿勢に変わりません。

そのなかで、様々な買収の可能性があるといえます。データの保護、管理、あるいはストレージという領域において、必要なものがあれば、自社内での開発も進めますし、買収した方がよければそれを検討していくことになります。

過去36カ月の間に3社を買収していますので、平均すると1年に1社というペースになりますが、特にM&Aだけにこだわらずに拡大を検討していきます。一方で、コンサルティングサービスやプロェッショナルサービスのような領域については、パートナー各社との連携によって対応していくことになります。

――日本におけるビジネスはどう成長させていきますか。

ベロウゾフ氏:地域ごとの成長率は開示していないのですが、日本におけるビジネスは、非常に目覚ましい成長を遂げており、毎年、数100%の伸びをみせています。とくに、新たなアーキテクチャーを備えた製品の成長が著しいですね。

高品質の製品が望まれている市場だけに、我々が成長できる余地は高いと考えています。今回、来日したのは、日本におけるパートナーとの関係をさらに強いものにすること、そして日本の組織の拡大で新たなオフィススペースへの移転を検討しており、それを見に来たのも目的のひとつです。年内には日本のオフィスの移転を考えています。

――最後に、日本のユーザーに対して、メッセージをお願いします。

ベロウゾフ氏:データの保護、管理およびストレージの活用は非常に重要であり、それに向けて、正しく、適切なツールを使用する必要があります。まだ適切なツールを使っていない人たちも多いですから、その点はぜひ学んでいただきたいですね。

いまでもデータの保護の重要性は知られていますが、今後さらに高まっていくことになるでしょう。そうした動きに対して、アクロニスは、どんな規模の企業であっても、個人であっても、最適なツールを提供できると考えています。

3月31日は、World Backup Dayと呼ばれており、アクロニスもこの活動に賛同しています。全世界で、データバックアップの大切さを知り、重要なデータや大切な思い出を、しっかりとバックアップすることの必要性を訴えていきます。日本のみなさんも、この日を機会に、データのバックアップに取り組んでいただきたいですね。その際には、ぜひアクロニスのサービスを使っていただきたいと思っています。