プロゲーミングチームの形態とそれを支える収益構造

プロゲーミングチームの収益となるものは大きく4つあると梅崎氏は語る。大会の賞金、スポンサー料、イベント出演料、そして動画配信ビジネスだ。従来のスポーツと大きく異なる点が、このインターネットを利用した動画配信にあるという。プロゲーマーが日夜、試合の模様を配信することができ、またユーザーと直接コミュニケーションをとることができるというこの形態は、安定した収益を得ることができる柱となるそうだ。

なおDetonatioN Gamingで「League of Legends」をプレイするチーム「Focus Me」は、プロゲーマー7名のほか、コーチ、戦術アナリスト、通訳2名の計11名で構成されている。このほか、運営の株式会社Sun-Genceの従業員としてWeb制作、メンタル管理、広報、映像配信スタッフが勤務。プロゲーマーは個人事業主という立場にあるため、会社には属していない。法人化されて間もないプロゲーミングチームながらも、すでに収益化は見込めており、今後さらに多様なプロチームの拡充を目指しているという。

プロゲーマーの定義と今後の目標

プロゲーマーという職業は、日本ではまだ馴染みがない。既存のスポーツ選手と比較して、まだ地位が確立されておらず、定義は曖昧なところにある。プロゲーミングチームの代表を務める梅崎氏は、プロゲーマーという職業をどのように考えているのだろうか。

日夜ゲームを練習するとともに、そのプレイ動画をインターネットで配信するプロゲーマー

「チームに所属して収入を得たり、スポンサーから機材をいただいたりした時点で“プロ”であることは間違いないでしょう。弊社所属選手ですと、何人かは現在すでに同年代の一流企業社員を大きく上回る収入を得ています。そのほかの選手は大卒同等から高卒程度、またお小遣い程度のインセンティブ収入までさまざまです」と、プロゲーマーの収入面について梅崎氏は語る。

また、こうも指摘する。「しかし近年の日本のプロゲーマーの実態はといえば、ゲームで収入を得られていない選手が大半で、アルバイトなどをしなければ食べていくことができません。プロゲーマーはスターであり、その人気に応じた収入が無くては、だれもその職業を目指さなくなってしまいます。日本においてプロゲーマーを定義づけるためには、まず地位とブランドの確立と向上が必要となるでしょう。弊社が『フルタイム勤務・給料制』を打ち出したのも、その一環です。ただし、具体的にはまだいえませんが、2016年は大きな転機を迎えることになるでしょう」(梅崎氏)。