日本国内で屈指の実力を誇るDetonatioN Gamingだが、世界の選手層は厚く、いまだその頂は遥か遠くにある。世界と肩を並べるため、日本のプロゲーミングチームが今後クリアしていかなくてはならない課題とは、どのようなものだろうか。
世界のプロゲーミングチームと日本の違い
梅崎氏は世界で戦うためのチーム作りについて、以下のように解説する。
「プロゲーミングチームの運営には、選手のマネージメント、チームの自己分析、売り込む営業力の3つが欠かせません。DetonatioN Gamingが日本有数のチームとなれたのは、ほかのチームよりもこの3つをしっかりと意識して運営してきたからだと思っています」。
「今後、日本のプロゲーミングチームには明確なビジョンが求められることになるでしょう。私のビジョンは、DetonatioN Gamingが世界の表舞台で優勝することにあるのですが、そこからブレイクダウンして必要なものを考えるんですよ。達成するためには次に何が必要なのか、お金なのか、環境なのか。お金が必要なのであれば、スポンサーが必要で、そのためには営業が、そのためには実績が……と将来に繋げるための施策を考えているわけですね。『勝ちたい、では練習しよう』、それは当たり前の話で、日本のチームはもっと先のことを考えてマネージメントしていかなくてはいけません」(梅崎氏)。
「またプロゲーマーの意識向上も必要となってきます。正直にいって、これまでは選手の意識が非常に低く、寝坊やサボりも目立ちました。しかし対価を貰ってプレイする以上、プロゲーマーには社会人としての責務があると考えます。練習や生活に責任を持っていただかなくてはいけません。弊社のゲーミングハウスでは、ゲームの腕を磨くだけでなく、こういった面の教育も行っています」(梅崎氏)。
「プロゲーマーはファンあってこその職業です。スポンサーは、選手やチームに広告塔として価値があるからこそ投資しているわけですから、そのブランドイメージを崩さないよう、スポーツマンシップに則った行動やファンサービスが求められることになります。プロとしての自分を支えている存在を意識した見せ方が、今後必要になっていくことでしょう」(梅崎氏)。
このように、単にゲームの腕を上げるだけでなく、社会人としての規範も重要だと梅崎氏は指摘した。