低価格モデルが台頭?
一方で、今回の総務省要請がプラスに働くと見られるのが、低価格モデルに強みを持つメーカーだ。最近はミドルクラスのスマートフォンであっても、普段使いには十分な性能を持つことから、かつてとは異なりキャリアは最近、比較的安価な端末の導入に積極的になっている。それゆえ現在、SIMフリー市場で比較的安価なスマートフォンを提供している中国・台湾などのメーカーにとっては、ハイエンドAndroid端末メーカーの減少を受ける形で、キャリア向けビジネスに参入できるチャンスが生まれてくるかもしれない。
スマホ料金是正で結果的にどうなるのか
では結果的に、日本のスマートフォン市場はどうなるのだろうか。まずiPhoneに関しては、現在と傾向は大きく変わらず「iPhone一択」が続くと見られるものの、価格高騰の影響を受けて販売量自体はやや減少するだろう。一方でAndroid陣営は、多くのハイエンドモデルが姿を消し、代わりに安価なミドルクラスの端末が勢力を拡大すると推測される。
こうした市場構造は海外のものに近いといえ、総務省側も日本が海外と同様の市場構造になることを好ましいとしているようだ。だが一方で、このことは通信事業において日本の独自性を失わせることにもつながっており、通信市場全体で一層日本の存在感が低下する可能性が高まることが、気がかりなところでもある。
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