表現をさらに工夫してみる

最後に、応用編として2つの機能を紹介しよう。ひとつは、連続して撮影した複数のカットをカメラ内で自動的に合成してくれる「多重露光」機能だ。次の写真は、1枚目ではピントを合わせて撮り、同じ構図のまま、2枚目ではピントをぼかして撮影した。このような多重露光によるボケの演出は、夜景やイルミネーションの撮影では、昔からある定番テクニックのひとつ。多重露光機能を備えたカメラがあればぜひ試してみたい。

多重露光機能で撮影。マニュアル (F1.8 1/30秒) ISO320 WB:オート カメラ:EOS 6D

もうひとつは動画機能だ。最近は動きのあるイルミネーションが増えているので、それを動画で撮るのも面白い。部屋を暗くしてパソコンやテレビで大画面の再生すれば、家にいながらにしてクリスマス気分を高められる。

マニュアル (F1.8 1/30秒) ISO1000 WB:オート カメラ:EOS 6D 再生時間:11.3秒

マニュアル(F1.8 1/30秒) ISO1250 WB:オート カメラ:EOS 6D 再生時間9.4秒

今回の撮影では、単焦点レンズ1本にボディ2台を用意して、イルミネーション撮影の楽しさを十分に満喫できた。特に前半で取り上げた、接写によるボケの表現は、近接撮影に強いタムロン「SP 35mm F/1.8 Di VC USD」のメリットを生かした撮り方としてお勧めできる。イルミネーションを撮りに出掛ける際は、アンティークデザインの鍵や子グマの小物を忘れずに持って行くといいだろう。