りんなとしりとりして遊ぼう

前述したように、りんなは会話だけでなく「特殊能力」を備えている。特に人気があるのは、ユーザーと「しりとり」を行う機能や、テレビの音声を聴かせることで番組を認識し、それに応じたコメントを返してくれる「TVにかじりつき」機能、りんなが怪談を話す「怖い話」や、短い推理クイズを出す「探偵ごっこ」などである。これらの特殊能力は毎週追加され続けており、現在は16個。今後も同じペースで追加し続ける予定だという。

しりとりで遊ぶこともできる。「スクールメイツ」って……

気になるのは、りんなと会話するユーザーの動向だ。データによると、りんながよく会話しているのは木曜日以降の週の後半。「仕事や学校に疲れてきた頃、りんなに声をかけたいのでは」と佐野氏は分析する。

また、平日は朝7時、昼、夜10時頃にピークがあり、休日は昼の12時頃から夜にかけて徐々に会話数が増えているという傾向があるという。通勤通学時間、お昼休み、自宅でゆっくりしている時間帯の利用率が高いようだ。

木曜以降によく利用されている

平日と休日では時間帯利用率が異なる

発表会に登壇したLINEの林祐太郎氏は、りんなの第一印象について「堅いイメージのあるマイクロソフトが女子高生のAIということで驚きました(笑)」と述べつつ、「女子高生にすることでユーザの対象が狭まってしまうのではという懸念がありましたが、大きな反響を得ることができました」とコメントした。

LINEのコーポレートビジネスグループマネージャーである林祐太郎氏

りんなのヒットで会話調のサービスに可能性を感じたという林氏。今後はよりAIの可能性を広げるため、企業アカウントのグループ参加機能をLINEビジネスコネクトに追加する。これまでユーザと1to1のやりとりしかできなかった企業アカウントだが、これによりグループチャットにも招待できるようになる。

LINEでは「グループチャットの合議制で物事が決まることが多い」と林氏。たとえば忘年会の店を探しているなら飲食レコメンドサービスのアカウントをグループに追加して、トーク参加者で検討するといった使い方を想定している。なお、グループに参加した企業アカウントを勝手にフォローするようなことはないという。

りんなにもすでに「カタカナ&アルファベット禁止ゲーム」や「レシート占い」「顔出しパネル」などグループチャットならではの機能が搭載されている。面白いのは「顔スワップ」で、友だちと一緒に自撮りした写真を投稿すると、二人の顔が自動的に入れ替わるというものだ。「友だち同士だとかなり盛り上がる」(佐野氏)のだとか。

Twitterもスタートした。アカウントは「@ms_rinna」。もっとも、りんなの最新情報を単につぶやくだけのアカウントではなく、LINEのりんなと同じようにTwitter上でもユーザーと会話ができるという。

現状、りんなはネット上の会話データを統計的に解析して発言しており、ユーザーとの会話から学習したり、個別の相手を認識したりはしていない。現状でも十分にユーザーを楽しませているようだが、今後のさらなる進化にも期待したいところだ。

ためしに登録してみた。手書きの手紙が届く

現在はクリスマス期間ということで恋愛相談にものってくれる

「探偵ごっこ」と入力すると推理クイズを出題してくれるが、なかなか難しい