アユートは12月3日、都内で製品発表会を開催。Astell&Kernのフラッグシップポータブルプレーヤー「AK380」の音質を受け継いだ新機種「AK320」について、プレゼンテーションを行った。
発売日と価格が決定
今回の発表会で、AK320の発売日は12月18日、直販価格は249,980円(税込)とアナウンスされた。AK320はフラッグシップポータブルプレーヤー「AK380」の基本設計を踏襲した「新スタンダードモデル」と位置づけられている。
筆者はAK320とAK380に、Astell&Kernとbeyerdynamicのコラボイヤホン「AK T8iE」を直接つないで聴き比べを行った。驚いたのは、AK320がAK380の音の性格を完全に継承していること。フラットさや高域が頭の上に澄みきって響くような感覚は、AK380を初めて聴いたときに覚えたものと同一だった。
AK320とAK380の差は、力強さと音の伸びだろうか。AK380はパーカッションが体に響いてくるような感覚(それでいて聴き疲れしない)があるが、比較するとAK320はややソフトに感じる。約50万円のプレーヤーと表現力を比べるのは酷な話かもしれないが、AK320はややさっぱりとした印象を受けるのだ。大変わかりにくいたとえを入れさせていただくと、AK320でドラゴンクエストのあのテーマ曲を聴いたときは、AK380で聴いたときより街1~2個分くらい世界地図が狭まったような感じがあった。
各ポータブルプレーヤーのポジショニング。縦軸はパフォーマンス、横軸は拡張性を表す |
同社は「原音再現というゴールはAK380がクリアした」とし、AK380の音質をより多くのユーザーに体感してもらう目的でAK320を開発した |
AK380と共通の仕様
発表会で強調されていたのは、AK320は「AK380のDNAを継ぐ」製品であるということ。プレゼンテーションでも、AK380との比較が徹底的に行われていた。
AK320とAK380は、ともに旭化成エレクトロニクスの「AK4490」をデュアル搭載。さらに据え置き型のハイエンドオーディオなどに採用されているVCXO(電圧制御水晶発振器)を内蔵している。VCXOは入力電圧の変動に応じた出力周波数の変更が可能で、低ジッターを実現する。
また、DLNA対応のネットワーク再生機能「AK Connect」に対応。Wi-Fi内蔵の「AK T1」などネットワーク内にある対応機器でAK320の音源を再生できる。このほか、ハイレゾ配信サービス「groovers」に対応し、AK320から直接音源を購入可能だ。