では、何が違う?
異なるのはまずDSD音源の再生方式。AK380はDSD 11.2MHzをネイティブ再生できるのに対し、AK320はDSD音源をPCM 176kHz/24bitにダウンコンバートして再生する。
PCMの再生においても、AK380はPCM 384kHz/32bitをネイティブ再生できるが、AK320は上限がPCM 192kHz/24bitとなっている。また、PCM 352kHzは176kHzに、384kHzは192kHzに、32bitは24bitに変換する。
デザインも(似てはいるが)変化をつけている。素材はAK380がジュラルミン製で、AK320がアルミ製。AK320のフロントカバーは525gのアルミ塊からわずか41.5gを削り出している。
発表会にはアユート 代表取締役社長 渡辺慎一氏が登壇。渡辺氏は2015年の事業について、2015年は9機種のハードウェアと「AK CONNECT」など2種類のアプリケーションをリリースしたと振り返った。また、製品のバッテリーや基板の交換修理サービスの国内実施、修理期間の短縮などユーザーサポートを強化したことを説明した。
続いて登壇したiriver ヴァイスプレジデントのJames Lee氏は、Astell&KernのポータブルプレーヤーシリーズにおけるAK320の位置づけについて説明。Lee氏は「個人的な意見だが……」と付け加えた上で、「AK380は男性的な音が、AK320は若い男性もしくは女性的な音が鳴る印象を受ける」と、2機種の音質について表現。同社の製品群にはそれぞれ音質の違いがあることを前提とし、各々のオーディオスタイルに合った製品を選んでもらいたいと語った。日本のユーザーに対しては、「感性の高いオーディオファンが多い。様々なフィードバックをいただき、iriverに持ち帰って製品に生かしたいと考えている」と述べ、来年以降の製品開発に意欲を見せた。