これは野心的な取り組み

コンピューターにとって、フォンデュが食べ物であり、クックパッドにレシピが存在して、食べログにおススメのレストランが載っている、と理解するのは困難なことだ。会話の流れを判断するにも、高度な技術が要求されることだろう。徳生氏によれば、Now on Tapでは場面ごとに変わる利用者のニーズに対応するために「ナレッジグラフ」や「自然言語処理」、「App Indexing」という技術を組み合わせているのだという。この解析はクラウドで処理している。

Now on Tapでは、「ナレッジグラフ」や「自然言語処理」、「App Indexing」という技術を組み合わせて、いま画面の中で何の情報が必要とされているかを推測している

グローバルでは、今年の10月に英語版のNow on Tapがリリースされた。対応2言語目として今回、日本語が選ばれたという。Now on Tapが利用できるのはAndroid 6.0を搭載した端末。徳生氏は「Now on TapはGoogleにとっても野心的な取り組みで、今回のリリースは第1歩に過ぎない。使っていくことで進化できると思うので、対応端末をお持ちの方は是非とも使っていただいて、ご意見をお聞かせいただければ」と話していた。

提供はMarshmallowのみ?

説明会の最後に質疑応答の時間が設けられた。日本語が対応2言語目になった理由について、徳生氏は「日本ではモバイルが普及しており、モバイルを使った検索の比率も高い。また、タイピングして検索することについて、まだ充分に機能しきれていない言語だということもある。日本語でこそ、進化できる機能ではないかと思っている」と回答。

App Indexingの使われ方については「ホームボタンを長押しした後に、別のアプリに飛ぶ際にApp Indexingを利用している。例えば、食べログさんがレストランの情報を持っている、クックパッドさんがレシピの情報を持っている、それらを利用する際にApp Indexingが必要になる」と回答した。

Android以外のOSを採用している端末に提供する予定について聞かれると「Now on Tapでは、目の見えない方のサポートを目的とした、画面の中のテキストを取得するAPIを応用している。ほかのプラットフォームに提供できるかどうかは、画面へのアクセス権を得られるかどうか。出せれば嬉しいが、今のところ具体的な予定はない」と回答している。

いますぐに利用できるユーザーはどの程度いるのか、と聞かれると「いまのところ、対応端末はNexusのみだが、ゆくゆくはAndroid 6.0を搭載する他社さんの端末でも使えるようになる」と回答。「一番良いエクスペリエンスが提供できる」といった理由で、いまのところ提供はOS 6.0のみに限っているという。