10月30日より開催中の「東京モーターショー2015」では、併設展として「スマートモビリティシティ2015」(以下、SMC)も開催された。「次世代のクルマとくらし、社会が体験できる未来の街」をイメージして、都市と交通の関わりや、クルマと人の共生、また自動運転技術やコネクテッド・カーについてなどの展示がおこなわれている。今回のショーで見かけたものの中から、特にスマートフォンと関連があるものについて紹介しよう。

スマホ関連が思ったより少ないSMC2015

筆者にとって、今回のモーターショー&SMCの取材は6年ぶり。前回(2009年)は、ようやくスマートフォン市場が立ち上がったばかりだったが、小さなソフトハウスなどを含め、かなり多くの展示が行われていた。しかし今回行ってみたところ、スマートフォン関連の展示が激減していて驚かされた。

SMC2015では、スマートフォン関連の企業で展示しているのはナビタイムくらいで、あとは全体として自動運転や小型の個人用モビリティ機器などに関する展示が中心。展示数自体も少なく、会場が隅の方にあることもあって、なんだか寂しい感じもした。

曲がる際のランドマークを細かく登録していき、「xx交差点で右折」ではなく「右手にコンビニが見えたら右折」などの言い方に対応する。どこまできめ細かに店舗などの情報をアップデートできるかがカギになるだろう

会場内を定期的にデモ走行していたトヨタの超小型モビリティ。セグウェイ的なものではあるが、広いショッピングモールや空港内の移動などに使えたら便利そうだ

自動車とスマートフォンの連動といえば、アップルが提唱するCarPlayやGoogleのAndroid Autoがあるが、もともと世界初のカーナビを開発し、ローカルのカーナビが異常発達していたカーナビ大国である日本ではさっぱり盛り上がりを見せていない。今回も何か対応製品の展示があるのではと期待したのだが、見つかったのはパイオニアブースの隅っこで既存製品が、担当者もつかずにひっそり置かれていただけ。海外では徐々に広がりを見せている両規格について、個人的には日本でももっと(安価な)対応製品が出てほしいのだが、これでは普及に期待は持てないだろう。

左がCarPlay、右はAndroid Auto(北米版製品の参考出展のみ)。あまりに清々しいやる気のなさにいっそスッキリ