東京モーターショー2015の本会場では、自動車メーカーや関連製品メーカーが大小のブースを展開して華やかに展示をしている。ただ、こちらも自動運転などを前提としたコンセプトカーの展示などはあっても、スマートフォンとの連動などについては静かなものだった(もっともこちらは自動車の展示が本筋なので、当然といえば当然なのだが)。

とはいえ、展示されている車両のうち、輸入車で2台ほど面白い例を見つけた。仏ルノーのブースに展示してあった「トウィンゴ」と、独メルセデスブースに展示されていた「Smart fortwo」だ。この2台はどちらも小型自動車だが、カーナビやディスプレイを搭載する代わりに、スマートフォン用の車載アダプタを搭載していたのだ。

新型トウィンゴはRRという変わったレイアウトの小型自動車。軽自動車っぽいが軽自動車ではない。アダプターは日本仕様は未定だが、基本的に標準装備とのこと

日本でも10年くらい前からよく見かける2人乗り小型乗用車の最新型。こちらもスマホ用アダプターが装着できるが、オプション扱いだ

もともと海外の車は日本車のようにディスプレイ付きのナビを搭載するスペースが用意されていること自体が少ないこともあるのだろうが、この2台は低価格車ということもあって、最初からナビはスマートフォンの地図アプリに任せよう、という割り切りがいっそ潔い。この辺り、高級車においても海外では純正ナビをCarPlayやAndroid Autoに対応させるケースが増えてきており、ナビはスマホ任せとしているのに似ていると言えるだろう。 このほかの展示では、クラリオンが、カーナビとしては唯一スマートフォンとの連動をアピールしていた。同社のナビはiPhoneまたはAndroidスマートフォンとBluetooth(iPhoneの場合はケーブル接続もアリ)で接続し、音声による検索(Google検索)で近隣施設の検索や、スマートフォン上の音楽の再生が可能だ。

クラリオンもCarPlayやAndroid Autoに対応する予定はないとのことで、両規格の立場を再確認することになった

ナビ用のアプリを実行することも可能だが、このアプリはウェブアプリのような形で実装されており、接続するスマートフォンに左右されないようになっている。ナビメーカーの力量の見せ所である地図は持っていかれたくない、しかしスマートフォンの便利なところは使いたい、となると、この辺りが現実的な落としどころになるのだろう。再び「ガラパゴス」などと言われないよう、国際スタンダードとの接続性なども視野に入れた形で展開してほしいところだ。