日本エイサーは21日、Android 5.1搭載の5型SIMフリースマートフォン「Acer Liquid Z530」を発表した。同時開催された発表会では具体的な販路は明かされなかったが、量販店などで同日より予約開始済み。発売日は11月13日で、価格はオープン。量販店では税込26,780円前後で取り扱われている。

「Acer Liquid Z530」では広角セルフィーが特徴のひとつ

「Acer Liquid Z530」は、720×1,280ドットの5型IPS液晶を搭載した、Androidスマートフォン。日本エイサーが国内市場向けに本格投入する最初のスマートフォン端末で、「Fun For Everyone」をコンセプトに、PCとの連携機能や、ハイレゾ音源再生機能、音声操作によるカメラ撮影機能、クイックモードの搭載など、「若い人にも、年配の人にも『楽しさを味わってほしい』という思いを詰め込んだ」とした。なお、同社は2015年1月、中古本販売の「ブックオフ」チェーン店舗限定でAndroidスマートフォン「Liquid Z200」を投入した過去がある。

21日に開催された、「Acer Liquid Z530」発表会。会場にいたコンパニオンさんは、ハロウィン(10月31日)を意識してだろうか、魔女のような衣装で「Acer Liquid Z530」をアピール

「Acer Liquid Z530」ホワイトモデル。カラーはブラックとホワイトの2色を用意するが、ホワイトは日本限定カラーとなる

Windows 10 Mobile搭載デバイスの国内投入は?

発表会では、Acerが2015年9月開催の「IFA 2015」で発表した4.5インチWindows 10 Mobile搭載デバイス「Liquid M330」や、Continuum対応のWindows 10 Mobile搭載デバイス「Jade Primo」、ゲーミングブランド「Predator」シリーズの国内展開についても言及された。

同社は、日本マイクロソフトが14日に開催したプレスイベント「Windows 10 Partner Device Media Briefing」で、Windows 10 Mobile搭載デバイスの日本展開を告知している。日本エイサー代表取締役社長のボブ・セン氏によると、日本マイクロソフトのイベントで参考展示された「Liquid M330」については、エントリーモデル1機種、その上位モデル1機種を現在日本向けに準備しており、ビジネス向けモデルの展開も含め検討しているという。

「Windows 10 Partner Device Media Briefing」で参考展示された「Liquid M330」

21日の発表会で"チラ見せ"された「Jade Primo」

また、同じく「IFA 2015」で発表された「Jade Primo」については、Acerのスマートプロダクトビジネスグループ責任者、S.T.リュウ氏が「日本もターゲットの1つ」と日本での投入を明言。現在は日本語バージョンの準備を進めており、「近いうちに案内できるのでは」とコメントした。

一方、同社が海外で展開するゲーミングブランド「Predator」シリーズについては、同じく「IFA 2015」で発表された8型のゲーミングAndroidタブレット「Predator 8」、10コアプロセッサ搭載ゲーミングスマートフォン「Predator 6」に関し、「日本投入は完全Fixはしていない」と明言を避けた。しかし「ゲーミング市場は注力したいセグメント。グローバルのイベントにおけるフィードバックを見ると、日本では非常に関心を持ってもらっているようだ。日本向けに出していきたい、とは考えている」(ボブ・セン氏)と見通しを示した。

こちらも"チラ見せ"された、「Predator 8」(左)と「Predator 6」(右)

会場で参考展示されていた「Liquid Jade」「Liquid Jade Primo」「Liqid」

広角86度のセルフィーが楽しめる! Liquid Z530

「Acer Liquid Z530」(Liquid Z530)の主な仕様は、OSがAndroid 5.1、CPUがMT6735(クアッドコア、1.3GHz)、メモリが2GB、ストレージが16GB(外部ストレージはmicroSD)、ディスプレイは5型液晶(720×1,280ドット)、カメラ機能が800万画素(前面/背面)など。本体サイズと重量は、W70.3×D8.9×H144mm、重量が約145g。

通信面では、LTE(B1/B3/B19/B21/28)、W-CDMA(B1/B6/B9/B19)のサポートに加え、IEEE802.11b/g/nに準拠した無線LAN、Bluetooth 4.0に対応する。カラーはブラックとホワイトの2色。ホワイトモデルは、日本限定カラーとなる。

「Acer Liquid Z530」ブラックカラー。なお、端末の表示画面は独自設計UI「Quick Mode」のうち、年配者向けに手軽さを重視した「Easy Mode」となっている。「Quick Mode」では、Easy Modeのほか、子供向けにゲームアプリやロック機能を備えた「Basic Mode」、通常表示と近い「Standard Mode」を用意

ホワイトカラー。背面は若干凹凸のあるヘアライン加工。上部にはスピーカー、下部にはスピーカーを設ける

日本エイサーのプロダクトマネージャー、宇佐美慶基氏は、Liquid Z530の特徴を「Acer EXTEND」「Dsign」「Hi-Res Sound」「Camera」の4点とする。

Liquid Z530の特徴

「Acer EXTEND」は、同一ネットワーク上にある同社製スマートフォンとPCをWi-Fiで接続し、スマホの画面/音声をPC側で再生できる機能。PC側ではWindows 7以降の端末に専用ソフトをインストールすることで使用でき、ゲームやプレゼンテーションなどに活用できる。

「Dsign」(デザイン)は、デバイスの製造過程の中で最も重要な位置付けとし、デザインを手掛ける「デザインセンター」チームは「最も大切な部隊」と紹介。本体はエッジがカーブがかったデザインで、カバーはヘアライン加工を採用している。また、手になじむよう重量バランスを調整したとする。

「Hi-Res Sound」(ハイレゾサウンド)は、ハイレゾ音源の再生を指す。DTSサウンドにも対応する。プリインストールのアプリでハイレゾ音源の再生が可能だが、実際の視聴には、ハイレゾ対応のDACやヘッドホンが必要だ。

「Camera」では、広角86度で撮影できる「広視野角自撮りモード」により、通常の自撮りでも背景や一緒にいる人々を撮影できることや、「セルフィー」の掛け声など、自撮り操作やフロント・リアの切り替えなどを、音声操作で行えることが強調された。

日本エイサー代表取締役社長ボブ・セン氏は、日本のスマートフォンへの市場本格参入について、「日本参入は遅くないか? と聞かれるが、日本は非常に成熟したマーケットで、これからより面白く活性化するのでは。その面白さに一役買っていきたい」と、参入動機を語った。

「Acer EXTEND」のデモ。PCとの接続は無線LANで、全画面表示にも対応。再生はほぼリアルタイムで、音声もPC側から出力できる

本体は、背面に丸みをもたせ手に馴染みやすいデザインを採用している

DTSサラウンドに対応。なお、ハイレゾ音源の再生には、対応ヘッドホンやアンプが必要となる

カメラは800万画素で、広角86度で撮影できる「広視野角自撮りモード」や、声でシャッター操作、フロント/リアの切り替えができる音声操作も可能だ

「Acer Liquid Z530」の発表会では、細かい意匠が施されたほぼ実物大のクッキーが配布された。