パナソニックは9月30日、テクニクスブランドの新製品発表会を開催した。この日、正式に発表されたのは「OTTAVA (オッターヴァ)」の愛称を持つCDステレオシステム「SC-C500」、ステレオヘッドホン「EAH-T700」の2製品。その他、IFA2015で参考出品したGシリーズやターンテーブルなども国内で初めて披露された。
発表会では、"テクニクスの顔"として知られるパナソニック役員 テクニクス事業推進室長の小川理子氏が登壇。テクニクス復活の第1弾として2015年2月に発売したR1シリーズおよびC700シリーズが好調な滑り出しをみせていることを最初に紹介した。
リファレンスクラスと位置付けたR1シリーズの購入層はリスニングルームを持つような50~60代のオーディオマニア。一方、プレミアムクラスと位置付けたC700シリーズの購入層は40~60代でテクニクスファンも目立つという。いずれも、高級車を買うように、購入前に自分の耳でそのサウンドを確かめてから決断するコアな層だ。
今回投入する新製品のOTTAVA SC-C500およびEAH-T700は、50周年を迎えるテクニクス製品のラインナップにおいて裾野を広げる役割を担う。これまでのターゲットであるオーディオ愛好家のみならず、オーディオ機器にこだわりこそ持ってこなかったが「音楽は大好き」という音楽愛好家にまで拡大しようという狙いだ。
とくに、C500について小川氏は「従来のようにスピーカーの前に座って、向き合って音楽を聴くというスタイルではなく、リビングに置いて、空間全体に広がる音をゆったりと楽しんでいただけるシステム」と開発意図を説明。「たとえば、昼下がりのカフェタイムにクラシック、夜のバータイムには会話を楽しみながらジャズを聴く」というように、さまざまなシーンでユーザーに音楽が寄り添うスタイルを提案していく。
ちなみに、C500の愛称「OTTAVA」とはイタリア語でオクターブの意味。「コンパクト(なシステム)でも遠くまで音楽が広がり、届くように、ソロ奏者がオクターブ奏法で演奏するところから発想した」(小川氏)とのことだ。