ガーバーの違いをベンチマークで確認:定格編 その1
オーバークロック性能には大きな違いがあったが、では定格動作だとどうか? つまりどちらもDDR4-2133 CL15のDIMMとして使う限りにおいて、性能差が無いのか? を次に確認してみることにした。
具体的には、こちらのテストをB0ガーバーでもう一度行ってみて、B1ガーバーの結果と比べてみた。そんな訳でグラフはB0ガーバーとB1ガーバーのみ2つを多少まとめた形でご紹介したい。
まずグラフ3と4がPCMark 8の結果である。なぜか内蔵CPU/外部CPUとも、Creative 2.0を実施するとB0ガーバーが有利という結果が出ているが、あとはおおむね同程度。ただ強いて言えばこちらだとB0ガーバーの方が微妙に高速という結果が出た。
この傾向はCineBench R15(グラフ5と6)やPOV-RAY V3.7.0(グラフ7)などでも共通である。もっとも絶対的な性能差は「誤差の範囲?」と思える程度の差でしかないのだが。
逆にB1ガーバーが(やはり差はわずかであるが)やや有利? と思えるのがLINPACKの結果(グラフ8と9)。ご覧の通りグラフはかなり重なっているが、それでも微妙にB1ガーバーが高速である。もっとも数値で言えば、内蔵GPUでSize/LDAが40000の場合、B0ガーバーが195.70GFlops、B1ガーバーが196.42GFlopsということでその差は0.4%ほどなので、まぁ同等としてもいいのだろうが。
ちょっと面白い結果になったのがTMPGEnc Video Mastering Works 6を使っての結果(グラフ10と11)である。全体的に差は非常に小さいように思えるが、これはエンコード速度で比較しているからということもある。
実際の経過時間で見てみるとまず外部GPUの場合は
B0ガーバー | B0ガーバー | |
---|---|---|
HEVC 4K | 1:17:56 | 1:17:56 |
HEVC 2K | 1:17:56 | 1:17:56 |
SD x264遠近補正 | 0:00:25 | 0:00:25 |
SD QSV遠近補正 | 0:00:24 | 0:00:24 |
SD x264 | 0:00:14 | 0:00:14 |
SD QSV | 0:00:14 | 0:00:14 |
ということで、HEVC 2Kでなぜか8秒ほど差があるが、これは誤差の範囲に思える。問題は内蔵GPUの場合で
B0ガーバー | B0ガーバー | |
---|---|---|
HEVC 4K | 1:19:16 | 1:18:07 |
HEVC 2K | 0:22:11 | 0:21:12 |
SD x264遠近補正 | 0:00:23 | 0:00:24 |
SD QSV遠近補正 | 0:00:19 | 0:00:19 |
SD x264 | 0:00:13 | 0:00:13 |
SD QSV | 0:00:09 | 0:00:09 |
という具合にHEVC 4Kで1分9秒、HEVC 2Kでも59秒ほど高速になっており、これを誤差の範囲と言ってしまっていいのかやや悩む部分だ。フレームレートに換算すると差はわずかなのだが、B0ガーバーとB1ガーバーの差が特にGPUを利用する場合は顕著に出やすいように思える。もっともSD解像度でH.264のエンコードをする際には、そもそも負荷が低くて明確な差が出る前にテストが終わってしまう感じだが。
この傾向は3DMark(グラフ12~19)でも現れている。外部GPUを使うケース(グラフ12・14・16・18)では、B0ガーバーとB1ガーバーの間に目立った差はない。グラフ12で、特にIceStormではB0ガーバーがGraphicsで異様に差があったりするが、Unlimitedの結果で大差ないあたりを考えると、やはり誤差の範囲としてよいと思う。
ところが内蔵GPU(グラフ13・15・17・19)を見ると、特にPhysicsやCombinedで明確な差がある(グラフ19ではComninedの差が無いも同然なのは、Skylakeの内蔵GPUにはFireStrikeが重過ぎるためである)あたりは、どうもCPUとGPUを同時に使うケースではB1ガーバーにメリットがある、ということを示しているように思える。