Twitch実況ライブを含めたステージプログラム

東京ゲームショウに初出展となるアマゾンジャパンブースでは、同社傘下のゲーム動画配信サービス「Twitch」による実況デモを皮切りに、さまざまなステージイベントを行っていた。

AmazonブースはTwitchを大々的にアピール

ビジネスデイ初日の17日は、Twitchデモ実況ということでウルトラストリートファイターIVをプロゲーマーがプレイ。実況にはアール氏を起用しており、MCとのやり取りではe-sportsとその実況に関して「ゲームを競技に見立てて、その競技実況に近いイメージで行っている」と説明する。

朝一番で行われたデモプレイで、実況してくれたのはアール氏。的確な実況でゲームプレイを盛り上げてくれた

デモプレイを行ったのはTwitch eSports ManagerのMike Ross氏(左)プロゲーマーでEVO 2015 ウル4部門第2位のGamerBee氏

アドンとエドモンド本田で対戦

エキシビジョンマッチということもあり、一勝一敗の痛み分けで終了

日本ではまだe-sportsの盛り上がりは少ないものの、格闘ゲームに関してはプロゲーマーが10名ぐらいいることや、アスリートのように体調管理を行ったり、一日10時間を超える練習を行い、「世間一般のゲーマー」よりも多くのことを犠牲にして戦っていると紹介した。最後にはTwitchのJon Carnage氏も登壇。Twitchに関してこれからもいろいろなものを見せたいと語っていた。

フォトセッション。一番右はtwitch intaractive Inc. Live Programming DirectorのJon Carnage氏

このほか、ブースではAmazonで販売するアプリの購入、アプリ内課金に利用できるAmazonコインのプロモーションとして、コイントスゲームに加えて、ストアの紹介なども行っていた。

コイントスゲームも実施。コイントスなので勝率50%でTシャツがもらえると思ったら、その前に宝箱からAmazonコインを取らないとハズレ

見事Tシャツ(とうちわ)ゲット!

ステージは他にもいろいろ行われていた。こちらはAmazonアプリアワードの授賞式に伴うパネルディスカッション

基調講演ではゲームファンを増やす重要性とそのためのTwitch活用をアピール

別会場で行われた基調講演第二部(第一部はレベルファイブの日野晃博社長の講演[http://news.mynavi.jp/articles/2015/09/17/tgs/])では「ゲームマーケティング新時代~動画配信プラットフォーム活用の新たな可能性~」と題し、TwitchのVictor Denchartphan氏とアマゾンジャパンのJonathan Nagao氏が講演した。

Twitchは基調講演にも登場

講演を行ったTwitch Interactive, Inc. DirectorのVictor Denchartphan氏

まず「元プロゲーマー」のVictor氏がTwitchについて解説。Twitchがほかのサービスと大きく異なるのはゲームに特化しているということ。毎月150万のユーザーがゲーム動画を配信し、全体で1億回以上再生されている。また、1人あたりの視聴時間は106分/日と長く、ユーザーは多くの時間をTwitchで費やしているという。

Twitchの紹介。ゲームに特化しているところが強み

多くのゲーム、コミュニティで使用されているだけでなく、視聴時間が長いのも強み

Twitchの誕生以前は、ゲームの内容を知るのにさまざまなメディアの記事やトレーラービデオを見ていたが、現在はTwitchに置き換わっているとする。この成功をアジア地域に広げ、東京ゲームショウに参加するゲームデベロッパーと共有したいとアピールする。

日本、香港、韓国での生中継にも対応したので、アジアでの拡大を期待している

アマゾンジャパン アプリ事業部ディレクターのJonathan Nagao氏

次にNagao氏がファンを作る効果について説明。氏は空手をやっているということだが、アメリカでは空手はマイナースポーツであり、バスケットボールのような誰もが知る存在にはなっていないという。

バスケットボールは多くのファンがいるため、バスケットチームの試合を見るだけでなく、Tシャツやレプリカコスチュームのようなグッズ販売によっても大きな収益を上げている。ゲーム業界でもプロスポーツのような「ファン」を増やすべきだとNagao氏は主張する。

日本、香港、韓国での生中継にも対応したので、アジアでの拡大を期待している

ゲームを楽しむだけの普通のプレイヤーを、まわりにゲームを勧めたり、グッズを購入するような「ファン」に変えるにはどうすればいいのか。Nagao氏によると、「ゲームに費やす時間を増やすのが第一歩」だという。そこで毎日106分も利用されているTwitchが、FackbookのようなSNSよりも効果的だというわけだ。

また、プレイヤーをファンにするためのアプローチとして、コンテンツに参加しやすくすることの重要性を説いた。例えばLoL(League of Legends)では、ゲームプレイだけでなく、ファンアートの投稿なども行われている。調査会社によるとこのような取り組みを行うことで、ゲームに費やす時間が長くなるという。

派生コンテンツをユーザーが生み出すことでさらにゲームの世界を広げるという。これはLeague of Legendsの例

別の事例として、Trivia CrackとMinecraftの取り組みも紹介された。前者はクイズをプレイヤーに作らせ、配信可能にした。デベロッパーが問題を増やすためにはコストがかかるが、ファンが作った問題ならばコストをかけずに常に新しい問題を提供できる。加えて、プレイヤーのゲームに対する親しみを増すことにも成功した。

派生コンテンツをユーザーが生み出すことでさらにゲームの世界を広げるという。これはLeague of Legendsの例

Minecraftはプログラム教育にも貢献しているという。Nagao氏のお子さんはMinecraftが行う「JAVA for Minecraft」という体験プログラムに参加。JAVAの基本を一週間学び、武器やアーマーといったアイテムや、マップの作成ができるようになり、それを仲間と共有したという。以前は単なるプレイヤーだったお子さんがプログラムキャンプに参加することで、ファンへと進化し、ゲームに対してより情熱を持つようになったという。

ゲームプレイだけでなく、開発現場のストリーミング配信も人気

また、開発の様子を見せることでファンを増やす取り組みも紹介。Vlambeerというゲーム開発会社が開発現場の様子をストリーミングで配信することで、発売前のゲームなのに多くのフォロワーを生まれる。また、フォロワーがフィードバックを行うことも可能で、ファンとの交流もうながしている。

別の会社では、開発現場のストリーミング配信で、そのゲームのTシャツを販売し、ゲーム公開の際にはタダでゲームがもらえるといった取り組みも行っている。ゲームの発売前からグッズによる露出が増え、ファンが増える例だという。

ゲームの開発をストリーミングで見せることで、完成前にファンの声が反映され、さらに公開前にファン層を育てることも可能。視聴数やイイね!数が高いことがわかる

また、Twitchにはファンの拡大に大きな影響力を持ったユーザーも多く、トップデベロッパーは彼らを活用したプロモーションを展開している。その一例としてTwitchとAmazon storeを使ってコインを30%分キックバックするというキャンペーンを紹介していた。

twitchの放送者の中には100万を超えるフォロワーを持っており、高い影響力があるという。彼らのような影響力の大きいインフルエンサーが有用とのことだ

放送者が配信する動画内でセールを行った例。これも多くの視聴者とイイね!を生んでいる

そしてゲーム以外の収益源として「実体のあるもの(グッズ)」を挙げた。グッズをゲームの外で販売するだけでなく、ゲームの中でアイテムを売る例も紹介。そして、何百万人というユーザーにアプローチできるAmazonというプラットフォームは強力な存在だ。

ゲーム外の収益源としての「グッズ」

ゲームキャラクターのプリントやぬいぐるみも収益を上げるが

ゲーム内でアイテムを売る(正確にはリンク)という試みも

これらの販売もamazonがお手伝い可能

最後にNagao氏は、Amazonは販売だけでなく、ゲームに対する投資も行っており、PCゲーム、モバイルゲーム、コンソールと幅広く提供できる環境を整えているので、われわれをより活用してほしいと結んだ。

AmazonのストアもPC/モバイル/コンソールに対応

モバイルでの支払いはアマゾンストアの方が高いという