オムロン ヘルスケアは9月17日、パーソナル保湿機「HSH-101」を発表した。発売は10月19日。睡眠中の顔まわりを保湿し、起きた時ののどや鼻、肌の乾燥を抑制することを主な目的として開発した。価格はオープンで、推定市場価格は税別32,800円前後だ。

パーソナル保湿機 HSH-101

また、「保湿とねむりの関係」をテーマとしたメディアセミナーも開催。オムロン ヘルスケアの睡眠改善インストラクターである西口恵氏が新製品について説明したほか、睡眠の質を向上させるためのヒントなども紹介した。

パーソナル保湿機の新モデル

パーソナル保湿機とは、三菱電機とオムロン ヘルスケアが共同で企画・開発し、2014年10月に発表された製品。今回はその第2世代として「HSH-101」が発表された。上下2段の吹き出し口から、それぞれ常温風と約45℃の低温スチームを送り出す独自のスチーム搬送技術を引き続き搭載する。顔まわりを集中的に保湿するため効率がよく、また部屋全体を加湿しないため窓が結露しにくい。

HSH-101は保湿が必要になったら知らせてくれる「保湿ナビ」機能を新たに採用。これは本体に内蔵した温度・湿度センサーが部屋をモニタリングし、肌やのどにうるおいが必要な環境になると、サボテンマークの「保湿ナビランプ」が光るというものだ。電源オフの状態であっても、コンセントに電源プラグを挿しておけば自動でモニタリングしてくれる。

運転音は従来と同様、約27dB(目安として、人のささやき声が約30dBとされる)。間欠運転によって発生するオン・オフ切り替えの音が眠りを妨げるというユーザーの声を受けて、オン・オフの切り替えをなめらかに行うよう改良した。さらに、従来は30分間隔だったが、HSH-101では60分間隔で間欠運転を行う。

サイズはW150×D328×H277mm、重量は2.9kg。タンク容量は1Lで、最大スチーム発生量は1時間に210mlとなっている。カラーはホワイト、ピンク、グレージュ。ピンクとグレージュは数量限定で、グレージュはオムロン ヘルスケアの限定カラーだ。

独自のスチーム搬送技術を搭載。顔まわりを集中的に保湿するため、効率的なうえ、結露しにくい

【左】サボテンマークがお知らせする「保湿ナビ」。【右】運転音の感じ方を改善

なお、三菱電機もブラッシュアップした第2世代のパーソナル保湿機を発売。基本的な仕様は同じで、カラーや販路が異なる。オムロン ヘルスケアは主にコンシューマー向けとなり、家電量販店やオンラインショップなどで販売するが、三菱電機は主に業務用として取り扱う。

睡眠に求めるのは「疲労回復」

睡眠改善インストラクターの西口恵氏

「保湿とねむりの関係」と題したセミナーでは、オムロン ヘルスケアの睡眠改善インストラクターである西口恵氏が、睡眠にまつわる基本的な知識から、保湿が睡眠に与える影響まで説明した。

日本人の睡眠時間は世界的に見て短いというデータがあるが、西口氏によれば、睡眠不足は集中力の低下やストレス、肌荒れ、はては肥満や高血圧など生活習慣病にもつながりうるという。

睡眠にまつわるデータが紹介された。【左】世界各国の睡眠時間。【中】眠りとBMI値の関係。【右】季節に応じて睡眠時間が変化

オムロン ヘルスケアが20代~60代の男女を対象に行った調査では、睡眠に関する不満・悩みが改善されることで「疲労回復」を期待すると回答した人が最も多かった。西口氏は「肌荒れが改善するとか仕事の効率がアップするとか、そういった回答が多いのでは、と思っていたが、疲労回復を期待している人が突出して多くて意外」とコメント。もちろん睡眠には、その日の疲れを回復するという役割もある。疲れを回復したり肌や髪を修復したりする成長ホルモンが分泌される寝つき後3時間が、前日の疲れをとるためには特に重要だといえよう。

【左】疲労回復を期待している人が最も多かった。【右】パーソナル保湿機を使うことでうるおいを実感

快適な環境を整えることも、質の高い睡眠には必要となる。快適な環境を作るために「湿度」に着目して開発されたのがパーソナル保湿機だ。三菱電機の調べでは、パーソナル保湿機を使用したことで、鼻・のどのうるおいを感じた人は約7割。また、オムロン ヘルスケアの睡眠計を用いてモニター調査をしたところ、パーソナル保湿機使用時と非使用時で約8割の人に変化があらわれたという。

【左】セミナー開場には体験コーナーも用意。【中】オムロン ヘルスケア限定のグレージュ。【右】給水タンクには取っ手が付いている