iPad ProはPCライクな使い方に
発表会全体としては「iPad Pro」の存在が気にかかった。なぜ、アップルがこのiPad Proを投入し、そして何を目指そうというのか、その部分で色々と想像させる発表会だった。
iPad Proは、12.9インチというディスプレイを搭載。解像度は2,732×2,048ドットとやや中途半端な数字。発表会でも紹介されたが、iPad Proを横持ちにした場合、iPad Airを縦持ちにしてさらにその横に画面が増えた、というイメージ。
サイズといい、画面解像度といい、もはやノートPCといっていい。別売のキーボードを購入すれば、脱着式キーボードを備えたタッチ対応の2in1ノートといった形状になる。重さもWi-Fi+Cellularモデルで723g。キーボードを合わせれば、薄型ノートPC程度の重さもある。13インチMacBook Airが1.35kgだから、まあ、体感としてはそれほど大きく変わらないだろう。
発表会で紹介された利用方法もPCだ。MicrosoftがゲストにきてOfficeのデモもしたし、画面分割でのマルチタスクの利用方法もPCライク。キーボードでの長文入力も簡単にできるだろう。
価格も、128GBのWi-Fi+Cellular版で1,000ドル超え。キーボードは169ドルだから、両方合わせると15万円コースでPC並みだ。
Apple Pencilも注目ポイント。液晶ペンタブやVAIO Z Canvasでペンが必要なユーザー層をターゲットにしたものだろう。ペンの操作感は使ってみなければ分からないが、アップルなので、既存製品以上の使い勝手と機能を実現していると思う。
パフォーマンスに関しては、「ノートPCの80%と比べて」などといった謎の比較を出してきていて数字が意味をなしていないが、まあ、アプリで完結する作業であればそれなりに快適には動くのだろう。iPadのパフォーマンスの弱点はほぼメモリに集約されているので、メモリが十分であれば、プロセッサの速度は問題なく、PC並みの作業ができるのは間違いない。