多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、「Wi-Fiテザリングは5GHz帯が有利なの?」という質問に答えます。

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これまでAndroid端末を利用したWi-Fiテザリングに使用される周波数帯は、2.4GHz帯のみでした。理由はいくつか考えられますが、2.4GHz帯のWi-Fi規格が主流でありハードウェア側でも2.4GHz帯のみ対応していることが多く、結果として2.4GHz帯を使用すれば確実という事情があるためと考えられます。これはAndroid端末にかぎらず、iPhoneについても同様です。

一方では、5GHz帯のほうが快適に通信できるという状況もあります。2.4GHz帯は多くの通信機器に利用されているため混雑していることが多く、電子レンジなどWi-Fiとは直接関係がない家電製品が発する電磁波の影響も受けます。5GHz帯は基本的にWi-Fi以外で使われないため混雑が少なく、通信品質が安定しています。

この点では、5GHz帯のほうがWi-Fiテザリングに有利といえますが、2.4GHz帯と比較すると壁などの障害物の影響を受けやすく、Wi-Fiアクセスポイントとの距離が長くなると不利になる傾向があります。2.4GHz帯と比較すると対応ハードウェアが少ないため、接続できない(テザリング子機として利用できない)機器も多くなります。

Android OSの次期バージョン「Android 6.0 Marshmallow」では、Wi-Fiテザリングで5GHz帯をサポートします。ただし、ハードウェアレベルで5GHz帯規格(IEEE 802.11acなど)への対応が必要になるため、Android 6.0にアップデートしたところで5GHzのWi-Fiテザリングを利用できるわけではありません。たとえば、Android OSのリファレンス機として利用されている「Nexus」は、Nexus 6は対応しますが、Nexus 5は対応しません。

5GHzのWi-Fiテザリングに対応したAndroid端末が増えれば、ふだんはつながりやすい5GHz帯を選択しておき、障害物の多い場所で使うときや旧型の(5GHz帯非対応の)ハードウェアを子機として使う場合に2.4GHz帯に切り替える、という使い方が一般的になるかもしれません。

Android OSの次期バージョンでは、Nexus 6など一部端末にかぎり、5GHz帯を利用したWi-Fiテザリングがサポートされます