タブレットPCの速度を向上させた4コアCPU"BayTrail-T"ことAtom Z3735F

搭載されているCPUは、モバイル用途を前提として開発された"BayTrail-T"ことIntel Atom Z3735F。SDP2.2Wという超低消費電力CPUながらも、4コアを内蔵しているのが特徴だ。動作クロックは定格1.33GHzとなり、ターボ・ブースト機能により最大1.83GHz程度で利用できる。Atomといえばネットブック時代を思い浮かべる方も多いかもしれないが、BayTrail-TとなったAtomは比較にならないほどパワフルに進化している。この点はベンチマークテストにて詳しく確認することにしよう。メモリはDDR3L-1333を搭載しており、容量は2GB。タブレットPCの用途としては標準的な搭載量といえるだろう。またネットワーク機能として、IEEE 802.11b/g/nに対応した無線LANと、Bluetooth 4.0+LEを内蔵。Windows用として発売されている様々な機器をそのまま利用できるため、活用の幅はとても広い。

CPU-ZでみたAtom Z3735F。ターボ・ブースト時には、最大1.8GHz付近まで動作クロックが上昇する

ベンチマークで8P1150T-AT-FEMの性能を測る

それでは、8P1150T-AT-FEMの性能を各種ベンチマークテストにて確認していこう。まずは「WIN SCORE SHARE」を利用したWindows 8.1 32bit版のWindowsエクスペリエンス インデックス スコアをチェック。Atom Z3735Fの優秀さが垣間見える結果となり、プロセッサが"5.9"、メモリが"5.5"と、十分なスコアが確認できた。グラフィックス2項目が若干足を引っ張っている印象もあるが、タブレットPCで3Dゲームをバリバリ遊びたいというユーザーは多くはないだろう。また内蔵ストレージがeMMCであるためか、プライマリディスクのスコアは"7.0"と非常に高い。

「WIN SCORE SHARE」によるWindowsエクスペリエンス インデックス スコア

内蔵されている32GB eMMCの速度を、ストレージ用ベンチマーク「CrystalDiskMark」にて具体的に調べてみよう。シーケンシャル速度こそHDD程度だが、Flashメモリの特性のためか、ランダムアクセス速度が比較的高速であることがわかる。Windowsエクスペリエンス インデックスにおけるスコアの秘密はこのランダムアクセス速度にあるだろう。また体感速度向上に一役買っているのも間違いない。

「CrystalDiskMark」によるSamsung製32GB eMMCのベンチマーク結果

PCの総合的な性能を計測する「PCMark8」も同様に、通常のPCほどではないものの、不満を感じないであろうスコアが確認できる。タブレットPCというデバイスの限界があるため、3D処理を求められるCasual Gamingなどの値こそ芳しくないものの、メールやインターネット閲覧、Office用途などの作業では十分活躍してくれそうだ。

「PCMark8 Home accelerated」のベンチマーク結果

3Dゲームベンチで、内蔵GPUの性能を検証

最後に、3Dゲームのベンチマークを試してみよう。今回は、近年の3Dゲームとしては比較的動作の軽い「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」にて検証を行った。すでに通常のWindows PCならば内蔵GPUでも遊ぶことができるこちらのタイトルだが、やはりまだタブレットPCには荷が重いようだ。3D処理を行うのはAtomに内蔵されている「Intel HD Graphics」となるため、640×480ドットでようやく“重い”という評価となる。

スコア 評価
640×480/低品質 1930 重い
640×480/標準品質 1705 重い
640×480/最高品質 958 動作困難
1280×720/低品質 870 動作困難
1280×720/標準品質 815 動作困難
1280×720/最高品質 797 動作困難

本機でゲームを遊びたいならば、「艦隊これくしょん~艦これ~」 や「刀剣乱舞-ONLINE-」といったブラウザゲームを選択すると良いだろう。Flashを必要とするこれらのタイトルを外出先で遊べるという点は、他のタブレット向けOSにはない、Windowsタブレットの大きなメリットとなっている。

タブレットとしてもサブPCとしても使えるWindowsタブレット

Windowsタブレットの魅力は、気軽に使えるタブレットとしての側面と、いざという時にサブPCとして使える側面を両立している点にある。スマートフォンよりも大きな画面を利用できるタブレットは、ともすればかゆい所に手が届かないことも多い。しかしそんなシチュエーションでもWindowsタブレットなら、使いなれたWindowsOSそのままの拡張性と汎用性で対応できることが多い。そんな製品が、2万円程度という勢いで購入できる価格で提供されているのは素直にうれしい。持ち歩くデバイスの数を減らしたいビジネスユーザーや、外出先で気軽にWindowsを利用したい方は、まずは一度8P1150T-AT-FEMでWindowsタブレットの使い勝手に触れてみてほしい。

試用機 詳細スペック

型番 8P1150T-AT-FEM
CPU Intel Atom Z3735F (定格1.33GHz、TB時最大1.83GH)
メモリ PC3-12800 DDR3L 2GB
グラフィックス Intel HD Graphics
ストレージ 32GB (eMMC)
内蔵カメラ 前面/背面:192万画素
カードリーダー SD (HC/XC)/MMC/MEMORYSTICK対応カードリーダー
内蔵カメラ 192万画素 (前面/背面)
ネットワーク IEEE802.11 b/g/n対応ワイヤレスLAN + Bluetooth4.0 + LE準拠モジュール
カードリーダー microSD対応カードリーダー (SDXC/SDHC含む)
外部端子 microUSB2.0×1、mini HDMI×1、ヘッドフォン端子×1
OS Windows 8.1 with Bing 32bit
主な付属品 ACアダプター、microUSB-USB変換ケーブル、ファーストステップガイド
バッテリー持続時間 約5時間48分
外形寸法 W207×D126.7×H10.1mm
重量 約370g (本体のみ)
価格 20,800円 (税別)

価格、仕様は予告なく変更となる場合があります。最新の情報はパソコン工房のサイトをご覧ください。