「羽釜」ブーム到来?

会場となった「都電テーブル」と、キッチンで準備するスタッフたち

2014年モデルと比較して大きく変化したのは、内釜を羽釜に切り替えた東芝ライフスタイルと三菱電機だ。以前から羽釜を採用する象印マホービンも合わせると、羽釜採用メーカーは3社になった。

東芝ライフスタイルも三菱電機も、内釜の変更にともない、本体のデザインが変わっている。東芝は天面をフルフラットにして、操作パネルは拭き掃除などのしやすい「スマートタッチパネル」を採用。真空美白保温により、白米であれば最大約40時間、おいしさを保てるという。一方、三菱はトレードマークにもなっていた重箱状の立方体から、ずんぐりと下膨れして丸みを帯びた「実りの形」へとデザイン一新。高断熱構造により、従来比約28%アップの高火力を実現したほか、ビタミンB1の残存量をできるだけ増やして炊きあげる「美容玄米」モードなどを新たに搭載している。

象印マホービン、タイガー魔法瓶、パナソニックの3社は、デザイン面で大きな変更はない。象印は沸騰時の吹きこぼれを防ぐ「新うるおい二重内ぶた」を採用し、従来比約30%アップの高火力化が図られている。タイガーは「麦めし」メニューを新たに搭載。麦を1割混ぜるコースと3割混ぜるコースが用意され、麦専用計量カップが付属するほか、内釜にも麦めしコース専用水目盛りが設けられている。パナソニックは圧力弁の開閉をモーター駆動で行う新方式に変更。減圧時間を短縮してよりご飯の甘みをアップしたほか、220℃IHスチームによって最高温度を20℃高めている。

「おかずに合うご飯」もおいしいご飯の立派な条件だ。おかずも9種類用意した

日立アプライアンスのおひつ御膳は、最大炊飯容量が2合の小容量モデル。他社と同様の5.5合炊き2015年モデルは「ふっくら御膳 RZ-WW3000M」が相当する。今回はイベント開催日がRZ-WW3000Mの発表前だったため、参考としておひつ御膳を取り上げた。おひつ御膳はご飯が炊きあがると、おひつ部分を分離させて食卓に持っていけるという製品だ。

炊きたてご飯を自由によそって、食べる!

会場には各メーカーの炊飯器が2台ずつ用意され、片方は標準の炊飯コース(銘柄指定が可能なものは銘柄を指定)で炊き、もう片方ではその炊飯器の特徴が現れる炊飯コースや長時間保温などを試した。

炊く米は、宮城県北部にある板倉農産の「ひとめぼれ」に統一。ちなみにこの米は、イベント会場となった東京都・豊島区の「都電テーブル」が特別に仕入れているもので、都内ではここでしか食べられないそうだ。

参加者は自由にご飯をよそい、おかずとともに楽しんでいた

水は水道水を使用した。ミネラルウォーターを使ってしまうと、味やかたさに変化が出てしまう可能性があったため、メーカーが想定している「標準的な水」を使うことで公平を期したかたちだ。

イベント実施中、参加者は会場の好きな場所に陣取り、炊きあがったばかりのご飯を自由によそって食べ比べるというフリーなスタイルにした。普段の食事をイメージしやすいよう、紙皿ではなく茶碗と箸を使い、さらにご飯と相性の良さそうなおかずも用意。手づくりのゆかり、塩辛、柴漬け、ちりめん山椒、白梅干のほか、タコスミートとサルサメヒカーナ、だし、麻婆肉、さらに味噌汁まで。特に塩辛はご飯とよく合うと評価が高かった。

ご飯が炊きあがったところ。写真はタイガー魔法瓶の「JPX-A101」

東芝ライフスタイルの「RC-10ZWH」

パナソニックの「SR-SPX105」

三菱電機の「NJ-AW106」で玄米を炊いたところ

次ページから各メーカーに対する参加者の評価を見ていこう。