街そのものがIoT化する

記者説明会に登壇したヤフー 執行役員CMOの村上臣氏は「近い将来、周囲にあるモノがインターネットに繋がり、相互に連携する時代になる。モノそれぞれが独自に能動的に考えて繋がりはじめる。やがて、街そのものがIoT化する」と見立てる。2019年には、IoTデバイスは9億5,600万台になると予想。ヤフーではモノ、WEB、企業、人や街が垣根を越えてインターネットで結ばれる日を見据えて、サービス基盤を整えていく。

ヤフー 執行役員CMOの村上臣氏。同社では、IoT時代の到来を見据えてサービスを展開していく

ヤフーが目指すのは、利用者がより快適に、安全に暮らせるようになる社会。村上氏は「私は極度の面倒くさがりなので、なるべく楽をしたい。例えばコーヒーが飲みたくなったときに、自動的に淹れてくれるコーヒーメーカーが欲しい。人類の歴史は、この面倒くさいを解決することで進歩してきた」と持論を展開した。また、ヤフーが得意とする防災、災害予知といった分野でもIoTが活躍すると言及。「火事が起こったら、勝手に鍵を開ける。同時に、LEDで避難経路を通知する」といった未来の防災システムを紹介、こうした場合にもmyThingsプラットフォームが活躍すると期待感を示した。

ヤフーでは、IoTの製品やサービスを通じて利用者がより快適に、安全に暮らせるようになる社会を目指していく

myThingsプラットフォームは、すべての企業・開発者に無料で提供される。その狙いについて、村上氏は「まずは、IoTが日常生活をどのように楽しく便利にするものなのか、その世界観をお客様にご理解いただきたいので」と説明した。ヤフーでは、2,950万のYahoo! JAPANアクティブユーザー、3,000万IDのYahoo!ウォレット会員、月間約620億のPVという顧客基盤を活かし、myThingsプラットフォームの浸透をはかっていきたい考えだ。

Yahoo!では強力な顧客基盤を活かし、myThingsプラットフォームの浸透をはかる

続いて、ヤフー スマートデバイス推進本部の椎野孝弘氏が登壇。iOS/ Android向けに提供が開始されたアプリ「myThings」を紹介した。myThingsプラットフォームで開発されたアプリで、インターネットサービスやプロダクトを自由に組み合わせることができるのが特長。例えば「一定数のイイね!を取得したらメールで通知する」「YouTubeに好みの動画が配信されたらメールで通知する」「Instagramから#海タグの写真を集めて、Dropboxに海まみれのフォルダを作る」などの機能を実現できる。現在、利用できるサービス・デバイスは30チャンネルで、自作できる組み合わせは60,000通り以上だという。

ヤフー スマートデバイス推進本部の椎野孝弘氏は、myThingsプラットフォームで開発したアプリ「myThings」を紹介した

myThingsアプリは、IoT製品とmyThingsプラットフォームを結ぶためにも利用できる。今後、同アプリで利用できるIoT製品やインターネット家電は、順次、追加されていく予定だ。椎野氏は「ニッポンのIoTを開拓していく。インターネットを通じて、利用者のみなさんに更なる力を届けたい」と意気込んだ。

利用できるサービス・デバイスは30チャンネル、自作できる組み合わせは60,000通り以上。今後、myThingsで利用できるIoT製品やインターネット家電は順次追加される予定