SIMフリー端末のメリットとデメリット

最後に「古い端末」とはちょっと趣旨が異なるが、低価格ということで選択肢に入るSIMフリー端末だ。SIMフリー端末は、下は1万円前後から上は10万円オーバーまでと幅広いラインナップが揃っており、最近はASUS ZenFone 2のように、キャリアのハイエンド端末並みの性能をリーズナブルな価格で実現した端末も出ている。手ごろな価格のミドルレンジ端末は、キャリアの端末と比較すると、概ね1~2世代ほど前の性能だと考えればいいだろう。

メリットはSIMロックがかかっていないため、周波数帯さえ対応していれば、キャリアを問わず利用できるところだ。実際には後述する理由で、ドコモ系(MVNO含む)とソフトバンクの2択で、実質ドコモ専用と言ってもいい状況なのだが、SIMの選択肢が広がるというのは悪いことではない。また、GoogleのNEXUSシリーズのように最新OSのアップデートが常に最速でやってくる端末もある。

デメリットは、機能面ではキャリア端末よりもだいぶ見劣りする点だ。防水、ワンセグ、おサイフといった機能はほとんどサポートされておらず、アプリ類もほとんど自分で揃えなければならない。VoLTEにも未対応の機種が多い。端末の価格が安いので、子供や老人などに与えておくのにピッタリという印象があるが、実際にはDIYの世界だ。きちんと管理できる人が周りにいなければ、きちんと運用するのは難しい。

そして最大のデメリットが、au系回線では実質、ほとんど使えないという点だ。SIMフリー端末は基本的に3G回線がドコモ/ソフトバンク系のW-CDMAに対応したものがほとんどで、3GにCDMA2000規格を使うau回線では音声通話が利用できない。