米AMDは10日(現地時間)、"Fiji"コアを採用した最新GPU「Radeon R9 Fury」の詳細な仕様を公開した。先行して発売した「Radeon R9 Fury」と比較して、Stream Processorの数や動作周波数は引き下げられている。

Radeon R9 Fury

"Fiji"コア(開発コード名)を採用した「Radeon R9 Fury」シリーズは、米AMDが2015年6月に発表した最新GPU。ビデオメモリに広帯域メモリ「HBM」(High Bandwidth Memory)したのが特徴で、メモリのバス幅は4,096bitと従来のGDDR5から大幅に拡大した。

Fijiコアに搭載されたHBMの概要

最上位モデル「Radeon R9 Fury X」はすでに発売済みで、「Radeon R9 Fury」はこれに続く第2弾の製品となる。14日の発売が予定されている。米国における参考価格は549ドル。

先行して発売したRadeon R9 Fury X

Fijiコアを搭載した製品として4モデルが投入される

スペック面では、「Radeon R9 Fury X」からStream Processor数や動作周波数などが引き下げられている。それぞれの使用を比較すると以下のようになる。

■表1 「Radeon R9 Fury X」と「Radeon R9 Fury」のスペック比較
モデル Fury X Fury
製造プロセス 28nm
Stream Processors 4096 3584
Compute Units 64 56
ROPs 64基 64基
Texture Units 256基 224基
動作周波数 最大1050MHz 最大1000MHz
メモリ 4GB HBM 4GB HBM
メモリバス幅 4096bit 4096bit
メモリクロック 500MHz / 1.0Gbps 500MHz / 1.0Gbps
メモリ帯域幅 512GB/s 512GB/s
TDP 275W 275W
補助電源ピン 8ピン×2 8ピン×2

AMDが公開したGeForce GTX 980とのパフォーマンス比較。Radeon R9 Fury Xは4K解像度でゲームを「Ultra(最高画質設定)」でプレイするための製品とされていたが、Radeon R9 Furyは「High(高画質設定)」でのゲームプレイがターゲットのようだ

「Radeon R9 Fury X」では、はハイエンドながら7.5インチ(約19.05cm)の小型のカードサイズをアピールされていたが、「Radeon R9 Fury」は従来のグラフィックスカードと同じサイズのモデルもあるという。

HBMでは基板におけるメモリの実装面積を削減できることから、カード長を短くできると強くアピールしていたのだが、「Radeon R9 Fury」は通常のカード長の製品もあるようだ。やはり空冷となると大型のクーラーが必要になるということだろうか

また、「Radeon R9 Fury X」では水冷クーラーを搭載するが、「Radeon R9 Fury」はグラフィックスカードメーカーのオリジナルファンを搭載したモデルが中心となるものとみられる。