ベンチマークで探るAMD APUとデュアル・グラフィックスの実力
今回試したX550ZE-FX7600には、プロセッサとしてクアッドコアのAMD FX-7600P APU(2.70GHz/最大3.60GHz)が採用されている。また、グラフィックスはAPU内蔵と外付けのRadeon R7 M270DXを搭載する。日本国内ではAMD APUを搭載した製品は珍しいが、いったいどれくらいのパフォーマンスなのだろうか?
そこで、いくつかのベンチマークを実行して本機のパフォーマンスを測ってみることにした。まず、Windows 8.1のシステム評価ツール「WinSAT.exe」では、次のような結果になった。
WinSAT.exeの結果 | |
プロセッサ | 7.5 |
---|---|
メモリ | 5.9 |
グラフィックス | 4.7 |
ゲーム用グラフィックス | 4.8 |
ディスク | 5.9 |
結果を見ると、プロセッサのスコアがかなりよいことがわかる。Uシリーズの第5世代Core i7と同じくらいの数値だ。なお、WinSATはCPU内蔵グラフィックスの数値のため低めに出ている。また本機はメモリが4GBなので、メモリのスコアは5.9が上限になる。
もう少し、詳しく本機の総合的なパフォーマンスをチェックするため、PCMARK 8 Basic Editionを実行してみることにした。まず、OpenCLを使わないHOME CONVENTIONALでは、下図のようになった。
続いて、OpenCLを使うHOME ACCELERATEDでは、次のようになった。
PCMARK 8はストレージを含めたPCの総合的な性能を測定するため、HDDよりSSDのほうが高いスコアが出やすい。本機はHDDを搭載しているが、スコアは良好で日常的な作業は快適にこなせそうだ。
続いて「CrystalDiskMark」でストレージ性能を計測してみたところ、下図のようになった。シーケンシャルリード/ライトともに100MB/s近く出ており、ノート用のHDDとしてはなかなかの性能。
次に、3D性能を見るため3DMARKを試してみたところ、高性能PC向けの「FIRE STRIKE」が635、ミドルレンジPC向けの「SKY DIVER」が2862、普及帯PC向けの「CLOUD GATE」が3754、モバイルデバイス向けの「ICE STORM」が46317となった。
このほか、ゲーム系の「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」では次の結果になった。
ドラゴンクエストX ベンチマークソフト スコア | |||
グラフィック設定 | 解像度 | スコア | 評価 |
---|---|---|---|
低品質 | 1280×720 | 5582 | 快適 |
標準品質 | 1280×720 | 5130 | 快適 |
最高品質 | 1280×720 | 3997 | 普通 |
また、「FINAL FANTASY XIV: A Realm Reborn ベンチマーク キャラクター編」と「FINAL FANTASY XIV: HEAVENSWARD 蒼天のイシュガルド」も試してみた。
FINAL FANTASY XIV: A Realm Reborn ベンチマーク キャラクター編 | |||
解像度 | 品質 | スコア | 評価 |
---|---|---|---|
1280×720 | 標準品質(ノートPC) | 3848 | 快適 |
1280×720 | 高品質(ノートPC) | 2320 | 快適 |
1280×720 | 最高品質 | 1839 | 設定変更を推奨 |
FINAL FANTASY XIV: HEAVENSWARD 蒼天のイシュガルド(DirectX 9) | |||
解像度 | 品質 | スコア | 評価 |
---|---|---|---|
1280×720 | 標準品質(ノートPC) | 3583 | 快適 |
1280×720 | 高品質(ノートPC) | 2201 | 普通 |
1280×720 | 最高品質 | 1621 | 設定変更を推奨 |
FINAL FANTASY XIV: HEAVENSWARD 蒼天のイシュガルド(DirectX 11) | |||
解像度 | 品質 | スコア | 評価 |
---|---|---|---|
1280×720 | 標準品質(ノートPC) | 1638 | 設定変更を推奨 |
1280×720 | 高品質(ノートPC) | 1282 | 設定変更を必要 |
1280×720 | 最高品質 | 934 | 動作困難 |
結果を見ると、グラフィックス性能が求められるヘビー級のゲームを遊ぶには少々厳しい印象だが、標準的な品質で快適に遊べるくらいのパフォーマンスはある。
なお、バッテリーはカタログ値では約3.4時間の駆動が可能となっている。そこで、画面の輝度を25%程度に設定してバッテリーベンチマークソフト「BBench」を使って実際にどのくらい持つのかを計測してみたところ、4時間29分の駆動が可能だった(BBenchは「60秒間隔でのWeb巡回」と「10秒間隔でのキーストローク」に設定し、満充電状態からバッテリー残量5%になり電源が落ちるまでの時間を計っている)。