ソニーの最新ワイヤレススピーカーのなかでも、「SRS-X99」「SRS-X88」「SRS-X77」の3機種は、BluetoothだけでなくWi-FiやUSB接続も可能とした、より高品位な音楽再生を目指した製品だ。さらに、今回取り上げるSRS-X99はハイレゾ音源の再生にも対応している(SRS-X88もハイレゾ対応)。
多様化するソースに対応する入力のバリエーション
リスニング環境をどのように構築しているのかは、人によって異なる。アナログ時代のアンプでは、LINE入力とPHONO入力ぐらいを備えていればなんとかなったのだが、スマートフォンやPCを音楽ソースとして使用することが一般化した現在、それらに対応する入力方法も必要になってくる。
手軽さを優先するならBluetooth接続で、音質を重視するならWi-Fi接続で、より安定感を求めるなら有線LANやUSB接続で。ひと口にデジタル接続といっても、大まかにこれら4種類の接続方法がある。そして、そのすべてをサポートし、なおかつハイレゾ音源の再生能力も併せ持つのが、ソニーの一体型ワイヤレススピーカーにおいて最上位機種となる「SRS-X99」だ。
SRS-X99は、IEEE802.11a/b/g/n対応の無線LAN(Wi-Fi)機能を搭載。無線LANルーターと接続設定を完了させれば、Windows PCではWindows Media Playerなどを使って音楽を再生できる。MacやiPhone、iPadからはアップルの「AirPlay」機能を使って、より手軽に接続機器を切り替えながら利用できる。一方、Android端末では専用アプリ「SongPal」を使用したほうが圧倒的に便利だ。
筆者の環境ではIEEE802.11gでの接続だったが、USB接続時と比べて音質的な差は感じられなかった。IEEE802.11a/g以上の環境であれば、ハイレゾ音源の伝送でも速度的に不足することはないだろう。
Bluetoothのバージョンは3.0で、NFCも利用できる。対応している音声コーデックはSBC、AAC、LDAC。aptXはサポートしていない。LDACは最大990bpsの伝送速度を持つソニー独自の音声コーデックだ。Bluetoothの標準オーディオコーデックSBC(328kbps)の約3倍のビットレートで、96kHz/24bitまでのハイレゾ音源も低劣化で伝送できる。
なお、SongPalは、Wi-Fi接続時にスマートフォン内の音楽ファイルを再生可能だが、Bluetooth接続時にこのプレーヤー機能を利用できない。