ワンボディでもハイレゾサウンドを楽しめる
スピーカーユニットは、φ94mmサブウーファー×1と、φ50mmフルレンジ×2、φ19mmスーパーツイーター×4の計7本を使用している。φ50mmフルレンジユニットは磁性流体サスペンション構造スピーカーだ。
キャビネットはパッシブラジエター式を採用。再生周波数帯域は45Hz~40kHzだ。アンプはフルデジタルアンプの「S-Master HX」で、実用最大出力は154W。各スピーカーにそれぞれ1台ずつデジタルアンプを割りあてたバイアンプ構成を採用している。
「ClearAudio+」や「DSEE HX」などの高音質化技術も採用されている。ClearAudio+はユーザーが細かな設定をしなくても、自動的に最適な音質にカスタマイズしてくれる機能。DSEE HXはCD音源や圧縮音源で失われた音楽成分を補い、ハイレゾ音源相当にアップコンバートする機能だ。ハイレゾ音源も増えてきてはいるが、それでも音楽ライブラリーの大半がノーマル音源という人が多数派だろう。そんないままでの音楽ライブラリーもDSEE HXを使用することで、より高品位に再生できる。
実際にSRS-X99でハイレゾ音源ファイルを聴いてみると、ノーマル音源に比べて、楽曲の雰囲気がより明確に伝わるという印象だ。とくに音場の広がりを強く感じる。これは天面に設置されたスーパーツイーターの効果もあるのだろう。音が上下方向に広がり、高域の雑味が解消されクリアになったように感じる。
SongPalやAirPlayでシンプルに使いたい高音質システム
音楽を聴くのなら、なるべく良い音質で楽しみたいが、大掛かりなシステムを設置したくない。SRS-X99は、そういった人に向けた製品だといえるだろう。スマートフォンユーザーの中には、Bluetooth接続においてaptXコーデックに非対応である点が気になる人もいるかもしれない。
しかし、スマートフォンの場合でもより伝送能力の高いWi-Fiで接続してしまえば、Bluetooth接続時のコーデックについて気をもむ必要はなくなる。さらに、SRS-X99はバッテリーを搭載しておらず、AC駆動のみの対応となるので、ホームネットワーク外で使用する機会も多くはないだろう。
SRS-X99自体は非常に多くの機能を持った製品だ。Android端末との組み合わせにおいては、SongPalから使用するという前提ならば、シンプルなBluetoothスピーカーとほとんど変わらない手軽さで使えるはずだ。