ホームボタンのなくなったiPhoneで何が可能になる?

Apple Insiderは同誌の独自ソースとして、Appleは実際にホームボタン排除を検討しているものの、少なくとも来年2016年以降のモデルになると報じている。

業界ソースを持たない大方の見方も、Appleがホームボタン排除の最初の決断を行うのは来年登場のモデルだという考えだろう。「とりあえずアプリを終了させたかったらホームボタン」という利用スタイルは初代iPhoneから終始徹底されてきたユーザーインターフェイスの根幹であり、これを変更するのはAppleにとっても大きな賭けとなる。

だが、ホームボタンを排除することで、本体におけるディスプレイの専有面積は増え、かつシステム上もハードウェアのデザイン設計に自由度が生まれることが期待できる。ホームボタンの役割は「ソフトウェアのホームボタン」でもいいし、タッチスクリーン上のジェスチャーで代用してもいい。

また、ディスプレイ全体がTouch IDのセンサーとなることで、(認証時間はかかると思われるが)複数の指紋を同時に取得可能になり、セキュリティ的にもより安全になる可能性がある。

現在は1本指のみで判別するTouch IDだが、ディスプレイ全体で指紋取得が可能になれば「ロック解除や認証に指を2~4本」必要にする設定も可能だ。またセンサーの位置がディスプレイ全体となることで、複数の指で適当にディスプレイを触っているだけでスクリーンロック解除が行えたり、Apple Payによる支払いもホームボタンの位置を気にせず、画面を触った状態で非接触リーダーに近付けるだけで支払いを完了させたりと、使い勝手がよくなる。

ホームボタン排除のメリットはむしろ、このTouch IDの自由度向上にあるのかもしれない。Appleが2014年8月に申請した、このディスプレイ全体で指紋認証を行う出願特許が今年2015年2月に米特許商標庁に公開されていたりと、布石はすでに整っている。

米特許商標庁(USPTO)で公開されているAppleが出願中のディスプレイ上で指紋認証を行う特許