子どもと楽しく過ごし、奥さんにもラクしてもらうために「パパ目線」で家電製品を選ぶ本連載。これから3回連続で、「パパ目線」で考えたときにどんなデジタルカメラを選ぶべきか、どんな写真を撮ることになるのかを解説します。お父さんたちのデジタルカメラ選びの指針になれば幸いです。

パパ目線の撮影には「日常用」と「イベント用」が必要

さて、子どもができた、子どもが生まれたというとき、最初に買いたいのがデジタルカメラだ。中にはデジタルビデオという声もあるが、生まれてての子どもはしばらくの間ほとんど動かないし、最近のデジタルカメラには高度な動画撮影機能も搭載されているので、まずデジタルカメラに投資することおすすめしたい。ビデオカメラの出番は、幼稚園や保育園、小学校などに入って、運動会や発表会が始まってからが本番だ。

パパ目線で子どもを撮るにあたり、用意したいデジタルカメラは、大きく2つある。これは2製品という意味ではなく、2通りの使い分けが必要という意味。そのひとつが日常用だ。小さな子どもとの生活は9割が家庭内。今回は日常生活をステキに撮れるカメラを紹介しましょう。

日常用のカメラは手軽さと明るさが優先

日常用のカメラを選ぶ際に重視したいのが、手軽に明るく撮れることだ。自宅内で写真を撮るときにいちいちフラッシュが光っていては子どもがびっくりするし、寝ているときに起こしてしまって奥さんに怒られるというシーンも考えられる。普通のコンパクトデジタルカメラやスマートフォンでは暗いシーンがうまく撮れなかったり、シャッタースピードが遅くなってしまって、せっかくの写真がブレてしまうということも少なくないのだ。

そこでおすすめしたいのが、カメラ画質に優れたスマートフォンや暗所撮影にも強いコンパクトデジタルカメラだ。大型のイメージセンサーを搭載したものが狙い目となる。

たとえば、SIMロックフリーのスマートフォン機能を持つパナソニックの「LUMIX DMR-CM1」は究極的な存在だ。スリムボディに1型センサーとライカレンズを搭載。さらにLUMIXシリーズで培った撮像エンジン「ヴィーナスエンジン」も心強い。

これをスマートフォンとして、日常的に持っていれば、いつでも子どもの写真が最高のクォリティで撮影できる。本当ならパパが使うのではなく、より子どものそばにいることが多い、ママに持ってほしいコンパクトカメラだといえる。

パナソニック「LUMIX DMR-CM1」。実勢価格は税込129,800円前後だが、日本国内では2,000台限定発売。そろそろ完売を迎えるという

CM1で撮影したカット。スマートフォンとは思えない解像感で描写できた

1型センサーを搭載するからこそ、背景が自然にボケている

CM1の写真(左)と一般的なスマートフォン(右)の写真を比較。肉の赤みなど色の再現力の高さがわかる

キヤノンの「PowerShot G7 X」は1型センサーを搭載した高級コンパクトデジタルカメラ。この製品もセンサーサイズが大きいため、背景をぼかして、被写体を浮かび上がらせることができる。コンパクト機ながら、絞り優先やシャッタースピード優先などの撮影モードが利用可能。レンズリングを使って、好きな機能をさっと切り替えて撮影できるのも便利だ。

キヤノン「PowerShot G7 X」。2,090万画素の1型CMOSセンサーを搭載。レンズはF1.8~F2.8と非常に明るい。光学4.2倍ズームも搭載する。実勢価格は税込62,000円前後

G7 Xを購入してすぐに撮ったカット。背景のぼけ具合などがコンパクト機とは思えない

海外の市場で撮った一枚。ディティールの描写力も非常に高くメイン機として十分に使える

それほど凝った撮影をするのではなく、手軽さを重視したいという場合にはカシオ計算機の「HIGH SPEED EXILIM EX-ZR1600」が便利。スマートフォンとWi-FiやBluetoothで連携する機能を搭載している。撮った瞬間に自動的に写真をスマートフォンに送れる「エクシリムオートトランスファー」により、スマホカメラでと同じ感覚でSNSに写真を投稿できる。また、チルト液晶とフロントシャッターの搭載により、子どもとのツーショット自撮りもラクラクだ。

カシオ計算機「HIGH SPEED EXILIM EX-ZR1600」。1,610万画素の1/2.3型CMOSセンサー、光学18倍ズームレンズを搭載。実勢価格は税込39,000円前後

撮った写真をすぐにスマホに転送可能。また、スマホからリモート操作して撮影する機能などもある

子どもが生まれたときにパパが選ぶデジタルカメラといえば、デジタル一眼レフやミラーレス機が多い。しかし、そのような大型のカメラを子どものいるリビングにいつも置いておくのは厳しい。子どもが成長するとデジタルカメラを落としたり、いたずらしてしまう可能性もある。日常を撮るカメラは手軽さと素早く撮れることを優先したい。