次は「生成と伝達」である。自動車向けとしてはITSに関するソリューション(Photo15)、それとR-CARシリーズで投入されつつあるOTA(Over The Air)の機能(Photo16)を紹介。

Photo15:760MHzと5.9GHzに両対応、という点が同社としては強みとしている

Photo16:要するに大容量のFlashを2バンク持つことで、稼働中に片方のバンクを書き換えられるというもので理屈は簡単だが、オンチップでこれを実現しようとするとダイサイズが大きくなりすぎ、外付けFlashにするとBOMコストなどの観点で不利になる。このあたりは40nmに移行して大容量Flashをオンチップで利用できる事がメリットとなっている

一方産業向けとしては、R-INエンジンによるOS処理の高速化を改めてアピールした(Photo17)。またこれを搭載した「RZ/T1」はCortex-Rシリーズの高い割り込み性能とTCMの組み合わせで例外処理を安定して実行できるほか、さまざまなエンコーダに対応することを紹介した(Photo18)。

Photo17:このR-INエンジンは、昨年のDevConではピンポン玉を浮かせる処理のデモでおなじみのもの。今回展示ではニューバージョンが登場した

Photo18:こちらは2014年11月に発表されたもの。Cortex-R4FにTCMを搭載したもの。会場でも「ネギ」でその実力を披露した

こうしたハイエンドFA向け製品だけでなく、5月8日に発表されたばかりの「RL78/G1D」(Photo19)はスライドを4枚も費やして詳細に説明するなど、広範なIoT向けの分野への対応の用意が出来た事のアナウンスも抜かりが無い。さらにはセキュリティに関する明確なソリューションの説明をこうした場では初めて行ったかと思う(Photo20)。

Photo19:Bluetooth 4.1に対応した製品として発表されたばかりのRL78/G1D。アンテナマッチング用バランの内蔵や、通信状況に合わせて動的に送信出力を変化させるAdaptable RF、RF内蔵MCU以外にRFそのものとしても使える構成などRL78/G1Dの特徴を随分念入りに説明された

Photo20:セキュア技術自身は、例えばAE-5シリーズとかRS-4シリーズといったMCUの形でこれまでも出荷しており、これそのものは決して新しいものではないが、この技術を前面に押し出してきた事が目新しい