データセンターの省電力化、機材を水冷へ

データセンターの電力効率化は、もともと電気代が高いと言われている日本では非常に重要だ。本文で触れたスパコン「京」も、電気代の値上げと予算削減で困っているらしい(笑えない…)

大量のサーバーを1カ所で運用するデータセンターでは、電力効率をいかに上げるかが課題となっている。PUE(電力効率指数)という数値があり、データセンターの全電力がサーバーだけで利用されることが理想だが、実際には特にサーバーを冷やすための空調に電力が多く使われてしまう。「いかに効率よくサーバーを冷却するか」「サーバー筐体温度を上げても大丈夫か」が問われている。

かつてメインフレーム時代のサーバーでは水冷が使われていたが、水漏れ懸念と強制空冷技術の発展で、いったんは廃(すた)れた。一方、理化学研究所と富士通が共同開発したスーパーコンピューター「京」は、冷却効率を上げるために水冷と空冷のハイブリッド型が採用されている。

今回は、冷却水の分配盤が付きいたラックと、水冷化対応されたサーバーを展示していた。空冷サーバーを水冷化したということで、CPUを冷やすだけでなく、メモリの横にウォータージャケットが付いており、空冷なしで動作する。

【左】水冷対応ラックのイメージ。この展示では、通常のラック前に冷却水の供給機構を追加していた。【右】水冷対応CPUボードのイメージ。PRIMERGY CX2550 M1を水冷改造したもの。冷却水を使ってCPUとメモリを冷やすため、空調コストを抑えることができる