SIMフリー版iPhone 6でauのVoLTEを使う

そのVoLTEだが、利用にあたってはiOS 8.3にアップデートするだけでは足りない。いくつかの設定変更が必要となるうえ、利用している通信キャリアやオプションによっては注意も必要になる。筆者はauの回線でSIMフリー版iPhone 6を利用しているため、その環境でのVoLTE導入に至る手順を解説してみよう。

まず、iOS 8.3への更新を済ませシステムを再起動後する(利用している通信キャリアによってはキャリアアップデートが案内されるので適用すること)。次に、「設定」の「モバイルデータ通信」を開き、iOS 8.2まではスイッチだった「4Gをオンにする」(ドコモ版は「LTE回線を使用」)をタップしよう。

すると「オフ」と「音声通話およびデータ」、「データ通信のみ」という3つの選択肢が現れるので、中央の「音声通話およびデータ」をタップする。これで、VoLTEを利用するための準備は完了だ。

iOS 8.2.2(左)とiOS 8.3(右)の「モバイルデータ通信」画面。「4Gをオンにする」スイッチが変更されている

ただし、SIMフリー版iPhoneでauのSIMを利用している場合、もうひと手間が必要。そのままでは「4Gをオンにする」の画面で「音声通話およびデータ」をタップすると、「4G回線による通話機能をオンにできません」と表示され、VoLTEを有効にできないのだ。auショップでiPhone 6/6 Plusを申し込んだ以外のユーザは、auのWEBサイト(auお客さまサポート)にログインして「オプションサービス変更」を選択し、「ネットワーク設定オプション」(無償)を申し込もう。そのあとiPhoneを再起動すれば、数時間後にはVoLTEで通話できるようになるはずだ。

VoLTE移行後は、音声通話終了時に一瞬現れるピクトが「1x」から「4G」に変わる。それ以外は従来とまったく変わらず、一部のAndroid端末のようにHDマークが表示されることもない。"音"以外はVoLTEであることを示す証拠は特にないため、少々肩すかしを受けたような気分になるが、通話品質は確実に向上する。こればかりは論より証拠、実際にVoLTEへ移行したうえで試してほしい。

SIMフリー版iPhone 6/6 Plusでは、ネットワーク設定オプションを申し込まないとVoLTEを有効にできない

auお客さまサポートで「ネットワーク設定オプション」を申し込む

iPhoneを再起動すると、「音声通話およびデータ」を選択できるようになる